アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*227
-
〜恋side〜
「ただいま。」
その日の夜、琉は少し早めに帰ってきた。
「あ、お帰りなさい。」
「ただいま。病院どうだった?」
「特に問題なかったです。あ、お義父さんに会いましたよ!」
「父さんに?父さん小児科だよな?」
「今日は外来だったらしくて、たまたま通りかかったところに会いました。」
「なるほどな。」
「ご飯もう少しでできますから。」
「ありがとう。あ、そうだ。一個話があるんだ。」
「なんですか?」
「今度ある、妻同伴の飲み会に誘われてさ…」
「あぁ、明希から聞きましたよ。」
「あ、本当?付き合ってもらっていい?」
「はい。大丈夫です。」
申し訳なさそうに言う琉に、クスクスと笑いながらそう言う。
「断ろうと思ったんだけど、主催者が山之内さんだっていうから…」
山之内というと、大御所も大御所の、かなり有名な俳優だ。
琉たちが小さな頃から活躍する俳優のはずで、断れないのも無理はないと思う。
「それいつなんですか?」
「5月12日の日曜日。」
「シフト変更ギリギリ間に合うんで出しときますね。」
「悪いな。」
「いえ!」
「あ、それでさ…結構ちゃんとした格好で来いって先輩に言われてさ。」
「スーッとかですか?」
「うん、そんな感じ。恋は普通のスーツでいいよ。男だけど、俺の奥さんだから。」
「わかりました。琉さんはどうします?翔也さんの結婚式の時に着たやつにしますか?」
「そうだな…それにベスト着るわ。」
「じゃあクリーニング出しておきます。」
「ありがとう。」
後ろから抱きつかれて、首だけで少し振り返る。
「危ないですよ?」
味噌汁を作っている途中だったので、すぐ目の前に鍋がある。
「ん、少しだけ。補充しないと足りない。」
「ご飯食べてからでもいいじゃないですか。」
そう言って笑うと、後ろから視線を感じる。
「…どうかしました?」
「今日もエッチしてもいいかなぁ…と思って。」
「琉さん明日も早いんじゃないですか?」
「まあ…」
「疲れ取れなくなりますよ?」
不規則な生活が増えてきた琉が心配で、腰に回された腕に手を添えてそう言う。
「…いや、恋が不足する方が困る。」
「俺の不足ってなんですか。」
おかしくてクスクス笑って振り返ると、琉とバチッと目があった。
「…ご飯、後にするか。」
「でも…」
「いいから…」
唇が重なって、部屋に静寂が訪れる。
グツグツと鍋が煮える音だけが聞こえる。
「ん…りゅう、さん…味噌汁…」
「火、止めるから…」
片手で腰を抱き寄せられ、琉が空いた手で火を止めた。
「んっ、ん…ぅ…」
少しずつ深いものに変わっていくキスに、腰が抜けそうになる。
琉にぎゅっとしがみつくと、両腕で抱き寄せられた。
「んっ、ぅん…」
「…はぁ…なんか、結婚してからますます性欲が増した気がする。」
「…ほんとですよ…最近よく…セックス…するから…」
入籍してから、なんとなく増えた甘い時間。
セックスまでしなくても、ベットで抱き合ってキスをしていたり、お互いの体を触りあったりと、イチャイチャすることが増えたのだ。
「恋が可愛いからだよ。」
チュッ、とリップ音を立てて、額にキスをされる。
琉との甘い時間は、恋も好きなので嫌ではないし、むしろ嬉しいのだが。
「…体力持ちませんよ…」
毎回それなりに回数を重ねる琉との行為は、体力を削られるものでもある。
「ごめん。恋見てると止まんないんだよ。」
「今日は1回だけですよ…」
「…善処する。」
琉が苦笑いしながらそう言う。
(今夜も1回では終わらないか…)
恋のその予想どおり、1度した後に夕飯を済ませて、ベットに入ってから、ムードが良くなり、そのまま2度目に突入したのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
430 / 832