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〜恋side〜
神父の言葉があり、式は誓いの儀式になる。
「汝、赤津琉は、青木恋を伴侶とし、健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しきときも、死が二人を分かつまで、愛し合うと誓いますか?」
「はい、誓います。」
「汝、青木恋は、赤津琉を伴侶とし、健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しきときも、死が二人を分かつまで、愛し合うと誓いますか?」
「はい、誓います。」
「指輪の交換を。」
改めて、結婚指輪をお互いにはめる。
琉の指先が、少し震えていて、緊張しているのだとわかった。
「それでは、新郎は、新夫に誓いのキスを。」
琉の手で、ベールがまくられる。
そっと見上げると、優しく微笑む琉と目が合って、恋も微笑んだ。
琉の手が肩に置かれ、恋はそっと目を閉じる。
優しく唇が触れて、離れる。
これでやっと、琉と結ばれた。
この後は立食パーティーになるのだが、その前にブーケトスがある。
今まで、遥、明希、恋ときていて、このブーケをとった人も結婚する可能性が高い。
「じゃあ、投げまーす。」
ポン、と高く上がったブーケ。
取ったのは…
「…えっ、なんで俺?」
傑、ではなくて。
「だ、だって僕が取るなんておかしい!」
その隣にいた小雪だった。
「だからって俺に押し付けようとしないでくださいよ。」
「だって、待って、ちょっと恋さん!」
小雪があまりにあたふたとするものだから、周りのみんなはクスクスと笑う。
小雪はやはり傑にブーケを渡そうとしていて、琉と恋も顔を見合わせて笑った。
その後はそのまま立食パーティーになり、恋はベールだけ取って会場に戻ってきた。
「恋さん、なんで僕の方に投げるの?!」
戻ってすぐ、小雪にそう言われる。
「傑か千秋が取ったら面白いなぁ、とは思ってましたけど、投げる方向まで俺には見えてないですよ。」
「小雪、そんなに恋からのブーケが欲しくないのか?」
「琉さん、そういう問題じゃないんだよ。恋さんが使ったそりゃブーケだから欲しいけどね!昔から言われてるでしょ。花嫁のブーケを取った人は次に結婚するって。」
小雪はため息をついてそう言う。
そんなに困ることなのだろうか。
「小雪さん、そんなに困るんですか?」
「……実はこの前、プロポーズされたんだよ…」
「「えぇ?!」」
周りにいた小雪の知り合いは、ほぼ全員、思わず叫んでしまった。
「小雪ちゃん、それどういうこと?!」
「もっと詳しく。」
翔也と琉に迫られ、小雪はまたあたふたとし始める。
「小雪さんにプロポーズか…」
「ってことはローデンスの人ってこと?」
「そういうことになるんじゃない?」
恋、明希、千秋は一体どんな相手だろうか、と想像していた。
「向こうにたまたま旅行に来てた日本人の男性で…あなたと結婚したいって、言われたんだよね…たった1週間、話したり会ったりしただけでだよ?!」
「…でも、俺のブーケを取ったってことは…そういうことなんじゃ…」
「もう、だから困るんじゃない。」
「小雪ちゃんが結婚かぁ…」
「翔也さん、まだ決まってない。」
小雪はジトッ、と翔也を睨む。
だがもし、小雪が結婚するのだとしたら、それはいいことのような気がする。
「まあ、とりあえず今は、恋たちおめでとうってことで。」
傑がそう言って、シャンパンを差し出してくる。
「まあ、そういうことでいっか。恋さんおめでとー!」
「恋おめでとー!!」
「恋、おめでとう。」
小雪、明希、千秋、そして傑と乾杯をする。
明希はオレンジジュースでだったが。
「…なぁ、なんでみんな恋は祝ってくれるのに、俺には一言もないわけ?」
「…ドンマイ!」
「まあ、仕方ないな。」
琉は翔也と紘に笑われていて、恋もクスリと笑ってしまった。
その後、零と遥や、佐藤夫妻などとも話をして、程よいところで立食パーティーはお開きになった。
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