アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*251
-
〜恋side〜
6月25日 18時
「んー…美味しい…」
旅館での夕食。
部屋に懐石料理が運ばれてきて食べているのだが、これがもう絶品で、恋はつくづく幸せを感じていた。
「はぁ…幸せ…」
思わずそう呟くと、前に座っている琉がニコニコと笑った。
「…なんで笑うんですか?」
「いや、本当に幸せそうな顔してるからさ。」
そう言う琉の顔には、優しい表情が浮かんでいる。
なんだか恥ずかしくなってきて、琉から目を背けた。
「これも食べな。」
「ありがとうございます…」
恋はたくさん食べる方ではない。
けれど、こうして誰かと美味しい料理を食べる、というのはやはり食が進むものだ。
琉からもらった魚の切り身も口に運ぶ。
「んー…美味しいー…」
ふにゃぁっと頬が緩み、笑顔になる。
「ふふっ…本当に幸せそうな顔しちゃって。」
むにっ、と頬を摘まれて、琉に遊ばれる。
「ん、ひょっと、遊ばないでくだひゃい。」
「可愛いなぁ、もう。」
「へっ?!」
「こんなことで喜ぶんなら、いくらでも食べに連れいくのに。」
「新婚旅行だから…特別…っていうか…」
もちろん、琉とのいつもの食事や、外食も楽しいし嬉しいけれど、これは少し特別だ。
「…はぁぁ…恋、俺昨日お預けくらってるんだよね。」
「ん?はい、そうですね。」
昨晩は、恋が寝てる間に勝手なことをした罰として、エッチを禁止した。
本当は触るの禁止、ということだったのだが、恋が琉に抱きしめてもらいたくなってそれは断念した。
「あんまり煽ると今夜我慢できなくなるだろ…」
今夜もエッチできないのに…と、琉はブツブツ呟いている。
せっかくの新婚旅行だし、今夜はエッチを解禁してあげてもいい気がしてきた。
そもそも、恋が寝てしまったのも悪い気がする。
「……………よ。」
「なに?」
「いいです…エッチ、しても…」
琉の目が見れなくて、恥ずかしさを誤魔化すように、料理をパクパクと食べる。
「…っ…もう…可愛いなぁ、本当。」
「か、可愛くない…今のどの辺が可愛かったっていうんですか…」
「エッチしてもいいよって言ってくれた。でもそれが恥ずかしくて顔真っ赤になってる。」
バッ、と口元に手を当てて、顔を隠す。
「それにそれを誤魔化すみたいに料理食ってるし。」
「…う、うるさいです!!」
琉はまだクスクス笑っていたが、恋は目を逸らして料理に集中した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
455 / 832