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〜貴也side〜
「…うん。いいよ。」
「へっ?」
「俺のこと独り占めしたいんでしょ?」
顔を上げると、奏は嬉しそうに笑っている。
「女の子と話さないのはちょっと無理だけど…マネさん女子だし…でも2人で出かけたり、仲良くしたりはしない。貴也くんが嫌ならそれなりに距離とるよ。」
「えっ…」
「かっこいい俺…が、どの俺なのかわかんないけど…貴也くんにしか見せない俺はいっぱいあるよ。」
エッチな俺とか。
と耳元で囁かれて、ボッ、と顔が熱くなった。
「ふふっ、可愛い。」
くしゃっ、と頭を撫でられる。
「俺はもっと欲張りだよ。さっき先輩が貴也くんの頭撫でたのだって嫉妬したし、俺の恋人に触んなって思った。俺余裕ないガキだよね、本当。」
(そんなの…嬉しくてやばい…)
「束縛はしたくないけど、でも、俺結構嫉妬深いみたいだなぁ…」
もっと心が広い男になる、と呟く奏に、貴也はにやけてしまう。
「奏さんになら…束縛されても…いい、かも…」
そう言うと、奏がぽかん、としてはぁ、と大きなため息をついた。
「貴也くん、天然で煽るその癖、どうにかして…」
「へっ?」
「まあ、とにかく、ね。もっとワガママ言っていいよ。貴也くんの嫉妬なら大歓迎だからね。」
優しく微笑まれて、胸がキュンとする。
「お、美味しい…」
「ん?」
「奏さん、そのセリフもう一回!!録音します!!」
「えっ?!」
「BL的に美味しすぎるセリフ…嫉妬大歓迎とか!はー、やばいっ!」
急に腐男子のスイッチが入った貴也は、もはや嫉妬など吹き飛んでいる。
「…もう、貴也くん。君が腐男子なのは知ってるけどねぇ…」
「ほわっ!」
講義室の床に倒されて、奏が上に覆いかぶさる。
視界いっぱいに奏が映って、息が止まりそうになる。
「ムードって、わかってる?」
ちょっと低い声でそう言われて、奏の顔が迫ってくる。
「えっ、と…えっと…そ、奏さん…ち、ちかい…」
顔の前に手を出して、目を背ける。
だがすぐに、その手は一纏めにされて頭上に押しやられてしまった。
「本物と漫画と…どっちがいいの?」
(や、やばいっ…な、なにこれっ…)
「ほ、本物がいいに…き、決まってます…」
「ふーん…漫画で学んだ貴也くんなら、次はどうなるか、わかるよね?」
ドキドキと心臓がうるさくなる。
もう、完全にキャパオーバーで、知識なんてひねり出せない。
「…なんか、誰もいない大学とか…いけないことしてる気分。」
ふっ、と微笑んだ奏の色気が凄すぎて、目が離せなくなる。
「ほら、目、瞑って?」
言われて、ぎゅっと目を閉じる。
どのくらい間があったか、額に優しいキスが降ってきた。
「ほわ…?」
「ん?唇がよかった?」
そう聞かれて、ブンブンと首を横に振ると、奏がクスクス笑う。
「こっちは、また今度…ね?」
貴也はぎゅっと目をつぶって、首を縦にブンブンと振った。
なんだか奏に遊ばれているような気もするが、前よりも奏の恋人としての自覚を、少しだけすることができた貴也だった。
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