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〜恋side〜
「初めまして!望月楓です!」
ドアを開けていきなり、自己紹介が飛んできた。
「えっ、と…初めまして。赤津恋です…」
軽く頭を下げつつそう答える。
「背高っ!声低っ!」
楓はかなり小柄で、明希や千秋よりも背が低い。
声も割と高めだった。
「身長何センチ?!」
「170…かな?」
「170!!いいなぁ!僕一回言ってみたかった…身長170cmです、って…」
「あはは…まあ、とりあえず入る?」
「お邪魔します!」
「お邪魔します。」
楓にクスクスと笑っている明希と千秋も招き入れ、リビングに向かう。
「ほわぁ…広いんだねぇ…」
楓は楽しそうにリビングを見回していて、恋も笑ってしまう。
「あ、恋これ!誕生日プレゼントー!」
「ありがとう。」
明希に紙袋を手渡され、お礼を言う。
「千秋と2人で選んだ!楓も少し手伝ってくれたよ。」
「中見てもいい?」
「どーぞ!」
入っていたのは、最新のキッチングッズと、可愛らしいフリフリのエプロン。
「このフリフリ…琉さんに着せるの?」
「まさか!!恋用に決まってるじゃん!」
「いや、俺のあるし…」
「それを琉さんにあげればいいんじゃない?」
千秋にそう言われる。
「フリフリ…恥ずかしい…」
そう言うと、明希と千秋、楓まで揃ってニヤニヤとしている。
「ニヤニヤすんな。」
恋がそう言うのとほぼ同時に、インターフォンが鳴った。
「…どうした?」
ドアの前にいたのは傑と貴也で、いつしかのことを思い出す。
「誕生日だろ?明希に言われて来た。」
「恋さんお誕生日おめでとう!!奏さんは後で来るって言ってたよ!」
(なんかめっちゃデジャヴ…)
そんなことを思いつつも、2人を家に招き入れる。
「おー、傑も来たかー!」
「来たけど…なんか…ちっこいな…」
傑と恋以外は全員170以下という身長に、傑がクスクス笑いながらそう言う。
「ちっこいって言うなよ!」
「そーだそーだ!これでも気にしてるんですからね!」
明希と貴也は全力で反論し、千秋は微笑むだけ、楓はぷくっと頬を膨らませている。
「…なんだこの、小動物感。」
「小雪さんも加わったら完璧なんだけど。」
傑と恋がそんなことを言うと、またしても4人がそれぞれの反応をする。
4人、いや、正確には千秋を除いた3人をなだめて、飲み物やお菓子を並べる。
全員でソファに座って、なんとなく話をしていた時だった。
「あっ、そうだ!いいこと思いついちゃった!」
明希が突然ニヤニヤとしながらそう言う。
「なになに?!明希さんなに思いついちゃったの?!」
1番楽しそうなのは貴也だ。
「えへへー。恋のAV見ませんか!!」
「…は?」
恋は眉をひそめる。
「いやなんかね、憧れてたんだよね!男子高校生とか、やるんでしょ?!AV鑑賞みたいなの!!」
「あー…まあ…俺もやったな。」
傑がそう言うと、明希が、でしょ!と反応した。
「僕は高校行ってないからそういうのもやったことない!やるもんなの?」
純粋な楓に、恋は頭を抱えそうになってしまう。
千秋は嫌ではない限り反論もしない。
「お前らさぁ…貴也くん中学生だぞ?」
恋がそう言うと、みんなの視線が貴也に向く。
だが、貴也は、嫌がるどころか、むしろ嬉々としていた。
「見たい!!えーぶい、見てみたいっ!!だって恋さんが出てるなんかなんでしょ?!みたい!!」
AV、が確実にわかっていない。
恋が出ているというだけで、目をキラキラと輝かせている。
「まあ…貴也は腐男子だろ?きっとそういう漫画も見てるって。」
「そうだよー!ね、恋見よ?みんなで見よ?」
「僕も見たいなぁ。」
傑は完全に面白がっているし、明希と楓からの期待がすごい。
最後の砦ともいうべき、千秋に視線をやると、ニコリと微笑まれる。
「僕はみんなが見るなら付き合うよ。」
今回ばかりは、千秋の優しさを恨んだ。
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