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〜恋side〜
「カーテン閉める?」
「ホラー映画じゃあるまいし。」
「えっ、でもなんか鑑賞会って、ねぇ?」
「明希のイメージが俺にはわからないわ。」
傑と明希がそんなことを話しつつ、結局カーテンを閉めている。
貴也と楓は、映画鑑賞の気分なのか、飲み物をコップに注いだり、皿にお菓子を開けたりと、楽しそうだ。
「恋、なんかごめんね?止めてあげられなくて。」
DVDの準備を手伝ってくれている千秋に、申し訳なさそうにそう言われる。
「いや、まあ、いいよ…これは遅かれ早かれ、見ることになるからさ…」
恋が取り出したのは、先日、潤哉から結婚祝いだといってもらったAV。
琉がこれを見ずに放っておくとは思えなかった。
「どんなのなの?」
「わかんない…多分俺と潤哉さんのだと思うけど…」
出演作品は希望すればもらうことができた。
恋は興味がなかったが、潤哉は会社の資料だとかで毎回もらって帰っていた。
「わ、新品なんだね。」
「…だね。」
袋から取り出したDVDは、明らかに購入したものだった。
てっきりもらったものの中からくれたのかと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
でも、相手は潤哉のものだった。
「これ、いつ頃撮ったの?」
「これは…多分…琉さんと会う直前くらい?」
「あれ、もう一個入ってる。」
「…これは2030年の12月だな。俺が事故に遭う直前。」
2本も入っているとは思わなかったが、もうここまでくると振り切れる。
「どっち、入れる?」
「…千秋決めて。」
「ええっ?!」
「ごめん嘘。じゃあ…こっちかな。」
琉と会う前のものを差し出し、千秋にセットしてもらう。
それからソファに戻って、再生の準備をしていく。
「な、なんか緊張しますね!」
「そう?貴也くんウブだもんねー!」
「明希さんに言われたくないな。」
「あ、そうだ。」
恋はふと思いついて、2階からあるものを持ってきた。
「はい、なんとなく…あったら安心かなって。」
貴也に琉がクレーンゲームで取ったぬいぐるみを渡す。
そして自分も、ウサギのぬいぐるみを抱きしめた。
「はわぁぁっ!なんだこれめっちゃ気持ちいいー!!」
「ぬいぐるみかぁ…僕たちも取ってくる?」
「あ、そうだね!楓には俺の一個貸してあげる!」
「ありがとー!」
「傑は?」
「いらねーよ…なんでAV見んのにぬいぐるみ抱きしめんだよ…ホラー映画じゃあるまいし…ってこれさっきも言ったな俺…」
ため息をついている傑をよそに、千秋と明希が一度家に帰ったため、DVDは停止させた。
こういう時、家が近いのは便利だと思う。
「取りに帰るって言ってたけど、お家近いの?」
楓にそう聞かれて、恋は頷く。
「千秋はお隣さんで、明希は数軒先だよ。」
「えぇっ?!千秋の家隣なの?!」
「うん。」
「そうなんだぁ…」
すぐに2人は帰ってきて、明希はネコのぬいぐるみを、千秋はクマのぬいぐるみを、楓は明希のもう1つのぬいぐるみを膝に抱えてソファに座る。
「さて、じゃあ…流しますよ。」
「「はーい!」」
再生のボタンを押して、謎のAV鑑賞会が始まった。
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