アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*273
-
〜奏side〜
「はわぁぁ…緊張したぁぁ…」
隣でアワアワとしている貴也に、奏はクスクスと笑う。
恋のAVを見て、貴也の脳内は完全にキャパオーバーだったようだ。
「AVくらいでそんな反応して…健康な中3男子かぁ?」
「健康ですよ!!あんなエッチなビデオだと思わなかったんです!」
「じゃあ、AVってなんだと思ってたの?」
「アニマルビデオ?」
(純粋すぎか。)
心の中でツッコミを入れつつ、笑いが止まらない。
「わ、笑わないでー!!」
「だ、だって…間違い方定番すぎ…」
クスクスと堪えきれない笑いを漏らし、あまりにおかしくて涙が出てくる。
「そんなにおかしいですかね…恋さんが出てる何か、ってのだけで、見たい!って言っちゃったんですよ…」
「はー、おかしい。AVってのはアダルトビデオの略だからな。」
「も、もうわかりました!!俺としたことが…BL漫画では肝心なところは白抜きとか、短冊…あの黒い変な棒みたいなやつで隠れてるもんなんですよ…だからエッチなビデオでも見えないと思ってたんですけど…」
よっぽと混乱しているのか、いつもより饒舌な貴也に、さらに笑いが止まらない。
「恋さんのが揺れてるの見えちゃうし…はぁぁぁ!」
顔を両手で覆って、バタバタと足を動かす貴也が可愛くて仕方ない。
ウブなのか知識が豊富なのか、よくわからないところが、からかいがいがある。
BLの知識としてはあるのだろうが、変なところで鈍感な上に、自分に置き換えることは苦手な貴也は、いざ実践となるとウブな反応をするのだった。
「でも本当にお尻なんか気持ちいいんですかね…漫画でも受けさんが、始めてなのに感じちゃう!!みたいなことしてますけど…」
「…さぁ?というか18禁の漫画、どうやって買ってるの?」
その童顔では買えないだろう、と思う。
「翔兄さんに頼んで…」
「ぷは!!翔也さんが買ってるの?!ウケる!」
翔也がBL漫画を購入してる姿を思い浮かべれば、おかしくてたまらない。
「最近は明希さんが…」
「あはは!でもどうせ、軽いのしか見たことないでしょ?」
「へ?」
「SMとか、がっつりのエッチとか…そういうの読まないでしょ?ていうか翔也さんが買ってたなら絶対にそういうの避けてると思う。」
「んー…1ページくらいで、終わりますかね…それでも充分ですよ?!」
「なのに30分もあるAV見てたんだ?」
「うっ…」
目を泳がせる貴也を見て、奏はまた笑う。
「ま…ハードなのは俺が教えてあげるから、知らなくていいけどね…」
「なんか言いました?」
「いーや?なんも。」
にっこりと笑ってごまかす。
呟いた独り言はもちろん本気だが、今教えたら間違いなく翔也に怒られる。
「でも腐男子としては、AVというのも一つ、知識としてなくてはいけないのかと思ってしまいました…」
「いや…別になくていいんじゃない?」
「でもあれにも物語があるようなんですよ!」
「…じゃあ、今度からは一緒に見ようか。」
「えっ。」
「俺が用意してあげるよ。」
「いや、いい!いらないです!やっぱり俺は漫画でいい!!」
真っ赤な顔をして手をブンブンと振る貴也。
奏はわざと言っているのだか、真に受けてそんな反応をする貴也は、やはりウブなのだ。
「実践は俺が、ゆーっくり教えてあげるから…ね?」
耳元でそう囁くと、そこから真っ赤になって、貴也は両手で顔を覆った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
478 / 832