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〜奏side〜
『あっ、あ、あぁ!』
『あっ、んぁぁっ!』
部屋の外に出て、それぞれの部屋の扉の前で、奏と貴也は固まる。
先に帰る、ということを伝えようと思い、ノックをしようとした手は完全に引っ込めてしまった。
「はわぁぁぁ…」
「…真っ最中だな…」
貴也は顔を真っ赤にして、頬に手を当てている。
(兄さん…理性脆すぎ…)
心の中で兄にため息をつく。
琉も琉だが、翔也も翔也だ。
おそらく、2人とも、お互いのやっていることをわかっていてしているのだ。
「ど、どうしましょうか、奏さん…」
「まあ、待つしかないんじゃないかな…」
「で、ですよね…」
『ひあぁぁぁっ!』
(今のは恋さんだ…)
ひときわ高い声に、貴也がビクッ、として、それからなぜか目を覆う。
「み、見える気がする…!!」
「ぷはっ、なにそれ。」
そしてそんなことを言い出すので、奏は思わず吹き出した。
琉と恋は実家でシていたこともあったから、喘ぎ声が漏れているのを聞くのは初めてではない。
けれど、実家のときより激しい気はした。
(…って俺はなに冷静に分析してんのよ…)
「そ、奏さん…」
「ん?」
「お、俺もあんなになっちゃうんですかね…?」
子犬のような瞳で見上げられ、なんと答えるべきか迷う。
いずれはそういうことをしたいし、あんな風にならないとも言えない。
が、それを言えば貴也はキャパオーバー間違いなしだ。
「…うーん、まあ、とりあえずはそんなことにならないと思うよ。」
「そ、そうですか?」
「うん。」
「よ、よかったぁ…あんなん恥ずかしくて死んじゃいます…」
「…今度さ、貴也くんが読んでる漫画見せてよ。」
「えっ!」
貴也の許容範囲はいったいどこまでなのか、それを知る必要があると思った。
「わ、わかりました!」
「…とりあえず今は、部屋に戻ろっか。」
「そ、そうですね…」
貴也と2人で部屋に戻り、他愛もない話をしたり、勉強を教えたりと時間を過ごし、その後帰れることになるのは結局日が落ちた頃になるのだった。
そして後日、貴也が読んでいる漫画の18禁描写は、ほんの少しだけで、挿入後すぐに終わってしまうものばかりで、貴也にはほとんど知識がないことを知った奏は、先が思いやられた。
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