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〜紘side〜
「…で?今日のこれはなんなんだ?」
そう言うのは、Tシャツにジーンズ、変装のためにサングラスをかけているのが、やたらとイケメンな琉。
「みんなが心配だから見守る会。」
そう答えるのは、翔也だ。
「…で、紘さんはなんでそんな暗い顔なんですか?」
琉に聞かれた紘は、深いため息をついた。
「うっわ、暗っ!!」
その姿に、翔也がそう言う。
「…千秋を…避けてる。」
「「は?」」
見事にハモった琉と翔也の声に、紘はまたため息をつく。
「なんでまた?千秋ちゃんのこと避けるなんて…」
紘が先日のことを2人に説明すると、2人はあぁ…となぜか納得している。
「紘さん、千秋ちゃんのことになると本当に冷静さを失うというか…」
「千秋くんが記憶ない時もそうだったもんなぁ…」
自覚のない紘は、首をかしげることしかできない。
「でも、千秋ちゃんに何かあったのは間違いなさそう。」
「まあ、紘さんのこと無視するなんて、よっぽどだよな。」
「何が、あったんだろうか…」
「聞いてみました?」
「いや…聞かない方がいいのかと思って…」
「それなら千秋くんが言い出すまで待っててあげるしかないのでは?」
車に寄りかかって話す3人に、女性たちの目が釘付けなのだが、本人たちは全く気づかず、話を続ける。
「ここ最近、ずっと暗い顔しててな…」
「千秋ちゃんは抱え込んじゃいそうだしなぁ…そもそも明希ちゃんや恋くんにも話してないなら、話せないこと、ってことだよね。」
「今日見てる限りは楽しそうだけどな。」
確かに、琉の言う通り、視線の先にいる千秋は楽しそうに笑って、かき氷を食べている。
「…まぁ、今日はさ。明希ちゃんたちが変なのに絡まれないように見張るってことで。その、千秋ちゃんの友達?もなんか危ういよね、あの感じ。」
「…確かにな。千秋から見ても、楓という子なんだか…その子は可愛いらしい。」
「ほら、あの辺にいる男どもが恋たちに視線送ってんぞ。」
「琉目ざといー。」
からかうように翔也がそう言ってニヤニヤとしているが、その目は笑っていない。
「千秋たちはその視線に気づいてないんだし、2人とも臨戦態勢になるな…」
「紘さん、甘いですよ。恋も明希くんも千秋くんも、俺たちがいない時に絡まれる確率100%ですからね。」
「え?でも、旅行の時は絡まれてなくない?」
「それがさ、傑がまた飛び込んで行ったらしくて…」
「…へぇ、傑くんが?」
にこり、と笑う翔也に、琉がやばい、という顔になる。
「…言わない約束だったのに。」
琉が頭を抱える横で、翔也はただ、ニコニコとしている。
「翔也…傑もきっと、後先考えなかったわけじゃないんだし…」
紘がなんとか宥めるけれど、翔也はじーっと傑に視線を送っている。
なにかを感じたのか、傑が振り返り、こちらを見た。
「傑にバレたんじゃないのか?」
「いや、バレてはないんじゃないですかね?」
「傑怯えてんぞ。」
琉がそう言って苦笑する。
傑は、ギギギ、という音がなりそうなぎこちなさで視線をそらした。
「翔也が怒ってると思われたんだな。」
「でも多分、なんで怒ってるかわかってないぞ。」
「あとでたっぷりお仕置きだね。なんなら傑くんの彼氏に伝えてお説教かな。」
「えっ、傑彼氏いんの?」
「え?わかんない。勘。」
紘と琉と翔也の3人が、そんな話をしている間に、5人にはナンパの影が、近づいていた?
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