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〜恋side〜
7月31日
海から、数日が経った。
夏休みの間は、当然専門学校はないので、千秋は引きこもってしまっている。
恋と明希は、そんな千秋をなんとか励まそうと、3人で過ごすことが増えていた。
【しょーとけーき】で、今日は恋の家に集まる、という話になる。
まだ布団にいた恋は慌てて起き上がり、リビングに行く。
「やっばい汚い!りゅーたろうお掃除!!」
ル●バになぜか名前をつけた恋。
りゅーたろう、と呼んで、上に小さなウサギのぬいぐるみを乗せて掃除させるのが日課だ。
りゅーたろうが掃除をしている間に、恋はキッチンを片付け、飲み物やチョコレートがあることを確認した。
「よし…」
ふぅ、と一息つくとチャイムが鳴る。
「はーい。」
「やっほー!千秋拾ってきた!」
「拾ってきたって…僕はものじゃないよ明希。」
クスクスと笑う千秋。
今日は元気そうだ。
「入って。」
2人を招き入れると、まだ掃除中のりゅーたろうが明希の足元を通り過ぎた。
「あれっ、ル●バがいる。」
「誕生日に琉さんがくれた。あと名前、りゅーたろうだから。」
「ふふっ…恋、真面目な顔して面白いこと言わないで。」
千秋がケラケラと笑う。
恋としては本当に真面目なことを言っているつもりだが、千秋が笑ってくれたならそれでいい。
「りゅーたろうの上にぬいぐるみ乗ってんだけど。」
明希も可笑しそうに笑う。
そんなにこれは変だろうか、と恋は1人、首を傾げた。
「とにかくこいつはル●バだけどル●バじゃないから!りゅーたろうだから!」
「はいはい。」
「恋、わかったから落ち着いて。」
そんなことを言っている間に、りゅーたろうは掃除を終え、充電器に戻った。
「りゅーたろうお利口だなマジで…」
恋は未だに、これに感動する。
「りゅーたろう好きすぎか。」
「いいだろ別に。ほら、千秋座って。」
「俺と千秋の対応の差は何?!」
恋と明希のやりとりに千秋が笑いながらソファに座る。
そんな時だった。
チャイムがまた鳴り、3人で顔を見合わせる。
「他には呼んでないよな?」
「うん。俺たちは呼んでない。」
「また貴也くんが突然来たとか?」
「琉さんは今日は遅くなるって言ってたからありえないし…とりあえず出てくる。」
「おっけー。」
玄関に向かう間に、再びチャイムが鳴る。
宅配でもあっただろうか、などと考えながら、恋はドアを開けた。
「はい…ううわぁ!!」
その瞬間、どーん!と突進される。
「えっ、なに、誰。」
「恋さん!!かくまって!!!」
焦った様子の小雪と、その隣には大荷物。
なんだかまた、騒がしくなりそうだ。
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