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〜恋side〜
「で、最近こっちはどうなの?」
小雪がふと、思い出したようにそう聞く。
「まあ、いろいろあったけど…説明すると長いっていうか。」
「え、待って、恋さんの結婚式からまだ1ヶ月くらいなんだけど?この間に色々あったわけ?」
「ありましたね。」
「それって千秋ちゃんに関係するの?もしかして聞いたらダメなやつだった?」
俯いてしまった千秋を見て、小雪は心配そうにそう言った。
「あー…いや、うん…」
どう答えていいか迷い、恋は曖昧にごまかす。
すると千秋は顔を上げて、自ら話をしだした。
「…えっ、と…とりあえずその、烏沢俊蔵、ぶちのめしてきていいかな?」
ニコッ、と笑いながら、言っていることは怖い小雪。
「いや、ダメですから…というか刑務所にいますよ、あの人は。」
「ふーん…じゃあ一生そこにいればいいのにね。」
相変わらずニコニコと笑っているけれど、やはり言っていることは怖い。
そんな小雪に、千秋はついに、我慢できなくなって笑い出した。
「えっ、え?!」
「ふふっ、ふふふっ…小雪さん面白い。」
「えぇ?僕なんか変なこと言った?でも千秋ちゃん笑ってくれたしいっか?」
不思議そうな小雪に、恋と明希もクスクス笑う。
千秋も、少しは元気が出ただろうか。
「あっ、笑える話繋がり…でもないけど、みんなに面白い話してあげよっか?!」
「なんですか?面白い話って。」
「ふふっ…琉さんと、翔也さんの、昔の話。」
悪戯っ子のように、ニヤリと笑う小雪に、恋たち3人は顔を見合わせる。
「高校時代の2人の話、聞きたくない?」
「小雪さん、そんなの知ってるんですか?!」
「まあねー。僕一応彼らの後輩だし。」
ふふん、と得意げに言う小雪。
恋も明希も、興味を惹かれる。
「琉さんと翔也さんの昔の話かぁ…僕もそれ聞いてみたいな。」
千秋がこう言ったことで、恋と明希の返事も確定だ。
「小雪さん、話しましょう。お酒でも出します?」
「いいねー!真昼間からお酒!」
お酒好きの小雪は嬉しそうだ。
「じゃあ、軽くつまみ作りますね。」
「みんなでやろうよ!」
「いいね。」
結局全員でキッチンに立ち、軽くつまみを作る。
「…千秋、おつまみ作るの得意?」
「うん?あー、昔は毎晩作ってたから、それじゃないかな?」
「そうなの?」
「うん。」
千秋が簡単にできるおつまみを次々作っていくので、明希と小雪はそれを見るだけになっている。
恋は千秋が作っているカプレーゼにかけるドレッシングを作っていた。
「ほわぁ…千秋、今度おつまみ教えて!俺も翔也さんに作りたい!」
「いいよ。」
「僕も教わろうかな…真司くんお酒好きなんだよね。」
「へぇ…」
「ふーん…」
「ふふっ…」
ボソッと呟かれた小雪の一言に、恋たちはニヤニヤとする。
「あっ、え?!いや、この前奢ってもらったからそのお返しだし?!」
「俺たちなんも言ってないですよ?」
「そうですよー?」
「も、もう!いいから早く琉さんと翔也さんの話しよう!」
小雪はそう言って、出来上がったものを持ってテーブルに行く。
恋たち3人は、琉たちの話を聞いたら、真司の話も問い詰めよう、と決心した。
「さて、それじゃ始めますか。」
「なんか話す側の僕が楽しくなってきちゃった。」
冷蔵庫から缶チューハイを出し、みんなで座る。
「かんぱーい!」
「「かんぱーい!!」」
乾杯をして、小雪の話は始まった。
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