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〜紘side〜
「…紘さん…」
「ん?起きたのか。」
恋に借りた部屋に連れてきてから30分ほど、千秋はぐっすりと眠っていた。
その間、紘は持ち帰りの仕事をしていた。
「ん…ぎゅ…」
腕を伸ばしてくる千秋を、ぎゅっと抱きしめる。
可愛すぎて、手放したくない。
いや、手放すわけではないが、3年も離れることに、自分が我慢できるのか、今更ながら紘は心配になっていた。
「紘さん…」
「ん?」
「アメリカ行ったら、どうするんですか?」
「そうだな…まずは家探しからだな。最初はホテルに泊まって、借りられる家を探す。」
「それから?」
「経営について学びたいから、学校に行くか、会社に入るか…それは向こうに行って、見てから決めようと思う。」
「紘さんが、サラリーマン?」
「まあ、そうなるかもな。」
「見てみたい。」
クスクスと笑う千秋。
紘の渡米を、もうしっかり応援してくれていて、紘がアメリカに行ってからのことを考えているようだ。
「僕ね、紘さんがアメリカに行ったら、1人暮らしになるでしょ…?それで、紘さんに相談があって…」
「ん?」
「楓と、一緒に住みたい…」
「いいよ。」
反対する理由はなにもないので、即答する。
すると千秋は紘から体を離して、目をパチクリとさせた。
「いいんですか?」
「いいよ。反対する理由はないしな。書斎だけそのまま残してくれれば…部屋も自由にしていいぞ。」
「本当に?!やった!」
やはり1人は心細かったのだろう。千秋は嬉しそうに笑う。
紘としても、千秋を1人にしておくよりは、まだ安心だ。
楓も千秋と変わらぬ無防備さがあるから、心配は完全には尽きないけれど。
「何かあったらいつでも言うんだぞ?千秋のことに限らず、楓のことでも。」
「はい!」
「恋たちにも相談したり…どうにもならないときは琉たちにもきちんと相談すること。いいね?」
「はい。心配しすぎですよ。僕だって1人で生活くらいできます!それに楓もいるなら寂しくないし。」
「…そうか。」
「紘さんが帰ってくるまで、僕頑張れます。」
「…うん。」
千秋はもともと、しっかりしているし、強い子だ。
やはり、自分の方が我慢できない気がしてきた。
「…あ、でも…」
「ん?どうした?」
「浮気したら、泣きますよ…?」
うるっ、とした瞳で上目遣いでそう言われれば、なんだか腰にズンとくるものがある。
「…千秋…あまり煽るのはやめてくれ。」
ただでさえ、我慢がきかなくなっているのだ。
「煽ってませんよ!真面目です!僕真面目に言ってる!」
「…心配するな。」
こんなに可愛い恋人がここにいて、それもアメリカから帰ってくれば結婚できるというのに、向こうで浮気をする理由がない。
「千秋が可愛すぎて、他の人なんて目に入らないよ。」
「…そ、そこまでは…」
途端に照れて赤くなってしまう千秋。
やはり可愛い。
「…千秋。」
「なんですか?」
「…いいか?」
「…っ…ど、どこにこうなる要素が…?」
すでに硬くなった自分のモノをぐりっ、と押し付けると、千秋はさらに真っ赤になってそう言った。
「…そうだな、千秋を前にすればいつだってこうなれる。」
「そ、それは困る…かもしれない…」
「ははっ、さすがに冗談だ。」
チュッ、と千秋の額にキスをして、覆いかぶさる。
「手加減、してくださいね…?」
声出ちゃうから、と小さな声で言う千秋。
そういうことをいうから、我慢できなくなるのだ。
「…善処はする。」
結局、千秋の声は、外に漏れていた気がするが、紘としては、手加減したつもりだったし、聞かれていたとしても、それは恋たちなのだからいいか、と、紘は開き直っていたのだった。
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