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初心者マーク
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二歩ほど走り出した時、視界がぐらりと歪んだ。
というより
引っ張り戻された...?
背中に質の良い布の感触、俺の顔に少しかかる毛髪、そしてその甘く清潔感のある匂い。
ーーーキキィイイーーーーーーッッ
俺が一瞬のことに状況が掴めずにいると、右前方のワインレッドの車のものであろう、ブレーキ音が鳴り響いた。
「ぅうぉおおおっ」
全てに混乱し、なんだか変な声が出た。
「すみません。青になったら止まっていただけますか。」
まだ状況を掴めずにいると、俺の背後でその匂いと比例するような甘い、けれど凛とした声色が告げた。
その声は車に向けられたものだろう。
ようやく状況を把握したが、そいつの腕が未だに腰を回り、その声が背中で、というか頭上で聴許しているのか。それは深い謎である。
ワインレッドの車を見やるとフロントガラスのはじに、黄色と緑の...なんというか。そう、初心者マークなるものが貼付されていた。
あー...。それでさらに納得。しょうがねえなこればっかりは。
結局すごく若い女性が出てきて平謝りされたので、「全然大丈夫です!ピンピンしてます!」と右腕をぐるぐると回して見せ、この件はかたずいた。
ふぅ..
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