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灰田 昴(はいだ すばる)
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ーーーーあれから3日ほど経った。
その間俺は梓月に会ってはいない。
否、会わないようにしている。だって怖いし。
それにだって限界はあるが。
幸い大学でも必修の講義がかぶることはなく、姿を見ることはあれどあちらには気づかれないように振る舞っている。
それでも携帯の着信は鳴り止まないのだが...。
教えた覚えもないし、まさか本当にあいつ法外の匂いがするんだけど大丈夫なのか?色々と。
とりあえず講義が終わったら早く家に帰るように心がけている。
「ぁー、おもいー」
くっそー。なんで俺がこんなこと。
しかし俺は今、物理の教授に資材を倉庫まで運ぶように頼まれている。
そして倉庫は少し遠い場所にあるし階段も登らなきゃいけないしでふざけんなという状況である。
ちらりと中を覗くとダンボール二箱には紙やらなんやらが山ほど入っているようだ。なにに使ってんだよこんなもん。地味に重いんだよなこれ。
筋肉はある方だが、二箱となると普通に重いし、それに両手に積んで持っていると視界も遮られるしで本当に困ったものだ。
そして難関の階段に差し掛かった。
「ょっ....ほっ......っ」
一段一段遮られる視界の中、単調に進んでいく。
「ん...........っ.....ぉわっ!!??」
上へ上がろうと伸ばした足は、疲れと重みのせいで下がり、上段につま先が引っかかってしまった。
まずい!!こける!!死ぬ!!!!!
走馬灯が見えかけた時。
「.....だいじょーぶ?」
もう諦めて、ギュッと目を瞑っていた時、背中に少しの衝撃と、低く明瞭な声、ミントの爽やかな香りが五感を刺激した。
「え」
助かった...のか...。
驚きを隠せず、後ろにいるだろう人物を振り返る。
「もー、気をつけなきゃねー?俺がいなきゃ死んでたよー??」
「は......ぇ...」
飄々とした喋り方。
そこにいたのは灰田 昴(はいだ すばる)だったーー。
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