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『えっと、た…千秋ってちょっと見た目チャラいし、遊んでるのかな〜って』
「ふーん。で?橘呼びについての言い訳は?」
えっと…。
……だめだ思い浮かばない。
「やっぱり記憶戻ってんだろ。いつからだ?俺が風呂から上がってきた時か?」
なんでそこまでわかったんだ…?
完璧に演じられていた筈…。
「…で?なんで嘘ついてまで記憶喪失のふりしたんだ?」
それは……
『…忘れてた方が……良かったからだ…』
橘の事を想っていても辛いだけだから…。
橘の事が好きだから忘れたかった。
ふりをしていれば、橘とのあの関係を無かったことに出来るから。
橘と友達という形でまた一緒にいたいと思った。
「なんで忘れていた方がいいんだよ」
なんて、本人に言えない。
『……それは言えない』
「どういう事だよ」
と悲しそうな目をしながら聞いてくる。
まるで忘れたかったなんて言うなと訴えているように。
ごめん、橘。
これ以上は聞かないで。
そんな顔をしないで。
これ以上聞かれたら、言ってしまいそうだ。
橘が好きだって——
春斗side end
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