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兄弟の時間 2 (倖人side)
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取り敢えず游來と一緒にカフェに来た。
ここは俺が気に入っていカフェで凄く居心地がいい所だ。
俺は口を開いて游來こう言った。
「游來。単刀直入に言うね。桜田の性に戻ってこないか?」
「…」
暫く沈黙が続いて游來いきなり喋り出した。
「何で?俺を捨てたくせにいきなり戻ってこいとか横暴すぎませんか?」
游來言っていることは正しい。
だけど…
「そうだとは思ってるよ。でも父さんと母さんが游來をまた家族として話したい。と言っていたんだよ。」
游來はまた黙り込んでしまった。
「俺は戻りたくない…」
「でも…今も満足な暮らしをしてないだろ?」
そう…
数年前に会った游來とは違って凄く痩せていた。
風がふいたら折れて飛んでいってしまいそうなほどに…
「それはそうだけど…」
「一度でもいいから父さん達に会ってみないか?」
「1度だけでもならさ…俺はやっぱり桜田になんて帰れないよ。」
游來は悲しそうな目で見てきた…
「それでも!俺は游來があの家を追い出された時は凄いショックだった。」
「そうですか…兄様の気持ちなんてどうでもいいです。」
游來はそう言って冷めたような冷たいような目で俺を見てきた。
「游來に嫌われるのはしょうがないと思ってる。
今まで游來と違って優雅な時間を過ごしてきた。
でもこれからは游來も俺達と一緒に住んで家族の時間を大切にしよう?」
「今更ですか?同情ですか?そんなのいりませんよ。」
やっぱり游來から帰ってくる言葉は冷たくて少し心が折れそうになった。
でも俺は諦めずに聞いた。
「游來は人が怖いんだよね?」
「…」
「ご飯も彗月が作った物しか食べられないんだよね?」
「…」
游來は何も言い返すことが出来ないらしく黙ってしまった。
「一度だけでいいんだ!!父さん達に会ってくれないか?」
俺は游來にこの気持ちが伝わるように深々と頭を下げた。
「分かりました。」
游來がやっと許可をくれた。
それだけでも俺はうれしかった。
「ありがとう。早々だけど明後日来てくれないか?」
游來は頷いて黙ってしまった。
游來と数年ぶりに話してみてわかった。
游來は人を信じることをやめて感情を押し殺して無表情になってしまったんだということを…
明後日游來が来てくれることが嬉しくて1人でルンルンで買ったことは俺だけの秘密。
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