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家族の時間 1
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はぁ…
遂にこの日がやって来てしまった…
深呼吸もう一回してからチャイム鳴らすか!
吸ってー履いてー
よしっ!
ピーンポーン
ガチャ
「游來。待ってたよ。」
「はい。」
と言って客間に案内された。
……………………………………………
うわぁぁぁ緊張する…
ガチャ
「游來。久しぶりだね。」
「お久ぶりです。父様、母様。」
「見ていないうちに随分と痩せてしまったのね…」
母様が俺にそう話しかけてきた。
俺は別に痩せていはないと思う。
単に朝昼晩の飯を食わないだけ。
いや、食えないだけ。
「まぁそれはいいとして本題に入ろうか。」
…
この話が一番怖い。
「游來はこの家に戻ってくる気はありますか?」
「お、僕は戻る気はありません。」
言ってしまった…
「そうですか…。
確かに私達は游來の事を一度捨てました。
でも今住んでいる宮ノ越家の生活は酷いものだったと添田の者に聞いていますよ。」
彗月め!
余計なこと言いやがって…
「僕は貴方達が嫌いです。」
「それは知っていますよ。承知の上で帰ってきて欲しいと言っているんです。」
…
はぁ…
だからこの家に帰ってくるのが嫌だったんだ…
俺の話を聞かないで勝手に話を進めて言って…
はぁ…
本当に腹が立つ。
そう思った時には遅く俺の中の何かがプツンと言ってきれた音がした。
「いい加減にしろよ!」
父様達はビックリしていた。
「俺の数年間も知らない癖に知ったような口聞いてんじゃねーよ!!!!!」
「游來!落ち着け!」
兄様はそう言っているが俺にはそんな声届きはしなかった。
「俺はアンタ達に捨てられて宮ノ越になった。
引き取ってくれた義父さん、義母さんは俺に毎日のように暴力を振るってきた!!!!
学校でも散々いじめられた!!
いつの間にか飯も味がしなくなって食べれなくなった!!全部、全部アンタ達のせいだ!!!」
父様達は動揺していた。
この事を知らなかったから…
宮ノ越達はこの事をずっと隠し通してきていたからだ。
そしてこの沈黙に耐えきれなかったのか兄様が口を開いた。
「游來…苦労してたんだな…」
兄様は俺に抱きついて泣いていた。
「ヒクッ…ヒクッ…うわぁぁぁ」
俺も泣いてしまった。
何年ぶりに泣いたのだろうか…
泣くという感情すら忘れてしまっていた。
「游來。よく頑張りましたね。」
父様がそう言って兄様の上から抱きしめてくれた。
母様も一緒に泣いてくれた…
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