アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
コンビニにて
-
引っ張られるがまま着いたのは、コンビニだった。
「え?ちょ、入るの!?」
「この格好じゃ帰れないでしょ!!」
…コンビニ入るぐらいなら帰れるよ。
ジャージはいてるとはいえ、その下はボタンのとれたシャツ。
ズボンは無惨にも太ももあたりまで裂け薄汚れている。
しかし、彼女を止める間もなくコンビニへイン。
周囲の視線を気にする様子を無く、彼女はトイレの前に来た。
…おれの腕を引いて。
「あー、これとこれ。着替えといて。
体育着のズボンは1回はいちゃったけど勘弁して?
あ、上着、これ使ってないからTシャツ使って。
あとは…えーと、はい、タオル。
濡らしていいから体拭きなよ」
「え…でも」
「タオルつかった痕なかったら、
自分もトイレはいってアンタのこと拭くからね(ニコリ)」
…この人、マジでやりそうだ。
でもこの格好で外歩けないのは確かだが、服を借りるねは気がひける。
女の子からだし。
「え、そんな、大丈夫だよ。おれ、帰るし…」
「あ?」
こわ!?
え、なにこのこ怖いよ!?
「…この格好で帰るとか、フザけてる?
『どーぞ狼さん襲ってください』
…って言ってるようなもんなんだけど?」
有無を言わさない勢いだ。
てか、狼って…
「…ハイ」
仕方ない。とりあえず借りておく。
おれが頷くと、彼女は満足そうに笑った。
それから10分ほどかかってトイレからでる。
…ゆすいだとは言え、未だに口の中が気持ち悪い。
それから…カバン、どこに置いてきたっけ?
優が見つけてくれるだろうか。
着替えもすんでコンビニから出ると、彼女が待っていた。
「あー、コレ、食べるならどうぞ」
サンドイッチとお茶だった。
なるほど、彼女の視線が着替えた制服をとらえていて、
ビニールの為にわざわざ買い物をしてくれたのかと納得する。
「あと、携帯もってたらかりていいかな?」
ああ、とおれはポケットに入れていたガラケーを渡す。
あの時、制服のズボンに携帯を入れていたので、
借りた体育着のズボンに入れかえていたのだ。
ヴーヴー、ヴー、ブチっ
…反射的に切ってしまった。
さっきの今ので優からのに出るのは…気まずい。
「切ってよかったの?」
「別に…いい」
そう、と言って彼女がおれの手からガラケーをとる。
ボタンを数プッシュしてコールボタンを押す。
相手がとらないらしく、おれに話を振ってきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 20