アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
実家8
-
リビングに行くと、父さんと母さん、弟の咲也(さくや)がいた。
「雪也、起きたのね。とりあえず、みんなでご飯食べましょう。」
「…うん。」
ご飯中は父さんが、大学はどうだ?とか、世間話をしていてくれた。
俺の気持ちを、少しでもやわらげようとしてくれているのがわかって、なんかちょっと泣きそうになった。
食事も終わり、父さんがマジメな顔をして話しだした。
「雪也、ビックリさせてしまってすまない。隠さなくてはいけなかったとは言え、本当は早く話したかったよ。」
「…うん。」
「ニックスくんのお父さまは、何度もここに足を運んでくれたんだ。王様という立場なのに、だぞ。初めて聞いた時は、雪也が生まれたてだったし、信じたくなかった。でも、何度も会って話をすることで、どんなに息子のことを思っているかが、すごく伝わって来た。子を持つ親同士、そこは理解ができたんだ。子どもはいずれ、親から離れて行くものだから、その行く先が、ステキなご家族のいる、こんなにも立派なニックスくんの所なら、幸せになれるんじゃないかと思った。雪也を任せてもいいんじゃないかと思えたんだよ。まぁ、それが二十歳というのは、少し早い気もするけどな。」
「…父さん……」
「あらまぁ、雪也はいつからこんなに泣き虫になったのかしら?」
泣いている俺に、ティッシュを差し出してくれる、母さん。
咲也もこのことを知っていたのか、特に驚きもせず聞いている。
「…父さんと、母さんの…気持ちは、わかった、よ。俺のこと、考えてくれて…その、ありがとう。」
泣きながら、しどろもどろな俺…。
「良かったわ、雪也がわかってくれて。」
「これで、ニックスくんと結婚するまでの100日、いや、明日から数えたら、あと98日か。それも大丈夫そうだな。」
父さんと母さんが、俺のことを大切に思ってくれていることはわかった。
でも、でもそれとこれとは違うだろ!
「でも…」
「え?でも?」
「父さんと母さんの気持ちはわかったよ。それは素直にうれしい。でもさ、やっぱり、ニックスと結婚するなんて、認めない!俺は、ちゃんと好きな人と結婚したい!」
俺の、認めない!という発言に、父さんと母さんは顔を見合わせた。
そして次に、2人同時に、助けを求めるようにニックスをジッと見つめた。
するとニックスは…
「お義父さま、お義母さま、僕にお任せください。納得してもらえるように、愛をいっぱい注ぎます!」
と、キラッキラの王子スマイルで言い放った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 77