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3.渡良瀬先生5
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「どうだ、少しは目が覚めたか」
「起きてましたよ、もともと……」
渡良瀬はつねられすぎて真っ赤になっている頬を痛そうにさすっている。さすがにもう俺が嫉妬してるとかいう寝言は言わないだろう。
「ということで、今からは俺のことが最優先だ。分かったな」
「はい、この命に代えても安藤さんの単位をお守りします」
今度は厭味ったらしいほど恭しく言われ、一瞬殴りたくなる。だが、今はとにかく勉強時間が足りない。殴るなら進級が決まった後にしようと、感情を拳の中に押しとどめる。
明日は俺が大嫌いなプログラミングと確率統計だ。渡良瀬とプログラミングと確率統計、一生付き合わないといけないとしたらどれがいいか、と聞かれたら迷わず渡良瀬と答えるくらいには嫌いだ。そのくせどちらも必修科目で、絶対に落とせない。
「頼むぞ」
俺は改めて渡良瀬の自作プリントに意識を集中させた。
見てろ、担任。絶対に進級してやるからな。
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