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4.最終課題合宿3
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家に戻っても、特にやることはなかった。
唯一あるのは、紙袋の中のこの課題の山。
1番上の冊子を取り出して、表紙をめくってみる。
何やらわけのわからないカタカナ語の羅列があった。普段俺たちが話す日本語と同じだとはとても思えない。これ、何の科目だっけ。暗号か何かかな……んなわけあるか。
せっかく少しだけあったやる気も、完全に失せた。やっぱり渡良瀬に教わらないとダメだ。課題を放り投げて、テレビをつける。
やっているのはどうでもいいニュースだった。都心に大雪が積もっただとか、海外で有名な服屋だか雑貨屋が日本に進出したとか、某超有名大の2次試験が行われたとかーー田舎の高専生である俺にはなんの関係もないことばかりだ。だから高専は嫌いになれない。
しかし大学については、もし単位が取れなくて学校を辞めさせられていたら、俺にも関係があったかもしれない。そう思うとゾッとする。俺にまともな大学に受かる学力なんてないし、路頭に迷うしかないじゃないか。
やはり高専には残らねば。そう決意するも、1人ではどうしようもなかった。
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