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残さず①
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犬が欲しい。
それを同棲している恋人に話したら、笑顔で同意を得た。
さっそく恋人とペットショップへ行って、少し前から気になっていた仔犬を迎え、リードや首輪など、必要な物を揃えた。
貯金をしておいて良かったと本当に思った。しかも恋人もドックフードやゲージなどを買ってくれた。
茶色い可愛い小型犬。
自分の後を尻尾を振ってチョロチョロと付いて来て、抱っこをすると頬を舐めてくる。
骨抜きにされて、我が子みたいに可愛がった。
でも、恋人には何故かあまり懐かなかった。
何故だろうか。家で仕事をしている恋人の方が一緒にいる時間は長い筈。
恋人は、気にしなくていいよ。と微笑んだ。
そんな事を話してから数週間が経った頃、上司と一緒に一週間程の短期の出張をする事になってしまった。
犬は未だ彼に懐かない。それどころか、唸り声を発したり逃げたりする。
それを心配しながら、彼に犬を預けて特急の列車に乗り込んだ。
ホテルに着くとすぐに彼から連絡が来た。
『犬は元気だよ。心配しなくていいよ。』
そんな内容と一緒にドックフードを食べている犬の写真が送られてきた。
彼の言う事だから大丈夫なんだろう。そう思い、携帯を閉じた。
でもその後の数日は彼からの連絡がなかった。
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