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ご祝儀と7
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「お、お前…どうやって…というか、何勝手に俺の荷物運んでんだ…」
「ん?俺達が結婚式に参加してる間に必要な物だけ運んだから。というか、勝手にって?俺から逃げたお前を連れ戻しただけだろ」
「……意味わからん…え、だって…どうやって調べて…どうやって鍵を…」
思わず言葉が切れてしまった。
こいつ、普通に犯罪行為を当たり前の様に…。
当の本人は素知らぬ顔で煙草を吸い始めた。
「本当に大変だったんだからな。仕事をしつつ、お前の居場所を突き止めようとしてさ…でも、親の跡を継ぐからどんどん忙しくなって、こんなに時間がかかった。まあ、お前と住めるんだから結果オーライかな」
そうだ。こいつ、何代も続いてる会社の社長の息子だったよな…。
こいつ、あんなデカイ会社継いだのか。
俺の部屋の鍵は金で解決したと、言われなくても分かる。
「お前、どうして…俺をここに住まわせるんだよ…というか、そもそもなんで俺に執着するんだよ…もう放っておいてくれ…」
「……」
「俺は…お、お前のせいで周りに人がいなかったのに…また俺から居場所を奪うのか…?」
「……」
「お、お前なんて……っ」
そう言い切る前にガシりと顎を掴まれて、そっと撫でられる。
「なあ、自分の立場を弁えろよ。…お前なんて……なに?」
煙草の煙をわざと俺に吹き掛けてくるその目は学生時代に見たことがある瞳をしていた。
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