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episode.03-2
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ジル「まずい、まずいぞ。ラズの部屋は確かに発情期(ヒート)対策がされている。だが、今この城にいるαは、抑制力が俺より低い」
俺はレイと急いで螺旋階段を登る。
甘い香りを頼りに、ラズを探す。
レイ「ラズが部屋にいればまだしも、もし部屋の外にいて、αと一緒にいたとしたら…」
考えただけで背筋が凍る。
…俺は…ラズが好きだ。
一目惚れだった。
青い目、ふわふわの髪、華奢な体…全てが愛おしいと思った。
だが、ラズの感情を読み取ることはできない。いや、感情がないようにも思える。
ラズが俺を愛してくれることはないかもしれない。でも俺はそれでもいいと思った。
だからと言って、他の、ラズが好きでもないαに渡す気などない。
レイ「ロン!」
階段を上がった廊下の少し奥に、ロンと、倒れているラズがいた。
ロン「レイ!早く!ラズが…!」
ラズ「はっ…はっ…はぁっ…はぁっ…」
苦しそうに肩を上下させている。
近寄った途端、甘い香りが鼻をついた。
ジル「…っく…レイ、急いで部屋に連れて行け」
レイ「ジル王子様!」
ロン「ジル様!」
俺は立っていられないほど、フェロモンに誘発された。こんなことは初めてだ。
ジル「俺はいいから…!早く連れて行け!じきにαが集まる…!」
ロン「ラズ、立てる?」
ラズは首を横に振る。
本当なら抱きかかえていってやりたいが、今そんなことをしたら部屋に入った途端に襲ってしまいそうだ。
レイ「ロン、私が抱く」
レイももともとフェロモンにあてられにくい体質な上、番のロンがそばにいる。
番がそばにいるときは、発情期とは関係なく、他のΩの誘発に理性が働きやすくなる。
ハル「ラズか…!強いフェロモンを感じてきてみれば…まずい、αがゴロゴロ集まってきてる!」
ジル「ハル、なんとか食い止めろ…!」
ハル「ジル様?!大丈夫ですか?!」
ハルが俺を抱え起こした。
βはαに比べれば、Ωに惹きつけられにくい。さらにハルは、Ω性βだ。
Ω性βはΩに惹きつけられることはほぼない。発情期もないため、常に理性を保てる存在と言える。
ジル「ハル、αは?」
ハル「階下をうろちょろしています」
ジル「レイ、ロン、ラズを俺の部屋に」
俺の部屋なら螺旋階段を使わず、専用の階段で行ける。そこは国王、王妃、及びジュエライドしか通過できない。
レイ「わかりました」
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