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episode.03-5
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ジル「…なんだって?」
うなじに噛み跡はなかった。
つまり番がいたとしたら解消されて、1年以上経っていることになる。
番関係を結んでいる間、αがつけた噛み跡は消えることはない。それが番の印なのだ。
だが関係が解消されるとそれは徐々に薄くなり、個人差はあるものの1年ほどで完全に消えると言われている。
ケヴィン「恐らくあれは、一種の負荷反応だ。声が出ないと言っていたな?それもそうだ」
ジル「つまり、関係の解消が、ラズの発情期を重くしていると?」
ケヴィン「あぁ。恐らくあれは生涯治らない。新しい番関係を結んだとしても、だ」
ジル「声もか…?」
ケヴィン「いや、声の方はじきに治るはずだ。健康診断もさせてもらったが、声帯は正常だと思う。声が出ないのは、ストレスもある」
ジル「ここでの生活か?」
ケヴィン「いや、これも俺の勘だが、番が、死んだのだと思う」
ドクン、と俺の胸は鳴った。
ケヴィン「他に何か、あの少年に変わったことはないか?」
ジル「…感情が、まるでない」
ケヴィン「…やはりな。相当前の番を愛していたに違いない。死んでしまって、心が凍った、と言っても過言じゃないな」
ジル「新しい番を持てば、何か変わるか?」
ケヴィン「…それはわからない…って…お前まさか、あの少年を番にする気か?」
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