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episode.11 日本
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1月4日
ハル「えー、日本というのはですね。太平洋に浮かぶ小さな島国で…」
新年早々、ハルがラズに向かって日本について説明していた。
なぜか?理由は簡単だ。
今度ラズを連れて日本に行くから。
…いや正確に言うとジュエライドを連れて、なのだが。
ラズは他国のことは知らないようで、無表情な割にメモを取っていた。
ハル「っというわけで、日本についてもっと詳しく知ろう!」
ハルはそういうと部屋に備え付けられたテレビをつけ、DVDを入れる。
画面に映ったそれを見て、俺はなんでこんなものを、と思った。
画面に映し出されたのは日本で放映中らしい恋愛ドラマ。それもBL。
あぁ、この国では当たり前だが、日本ではまだまだ偏見も残っている。
つまりこのドラマはかなり踏み込んでいる、ということだ。
主役はリュウ・アカツ。
高い背に整った顔、サラサラの焦げ茶色の髪や、少し低めの甘い声は女性を虜にしてやまない、らしい。
ラズは無表情で映像を眺めている。
特段興味もないらしい。
ハル「…ってラズ…何も感じなかった?」
ラズはちらりとハルを見やり、すぐに視線をメモに戻した。
ハル「んもぉぉぉ!伝わらないかな!この愛が!世間から認められにくいとわかっていながら、それでもなお!相手を愛するこの気持ち!!なんて素晴らしい!」
ハルは熱弁をふるっている。
ハル「また、リュウ・アカツの演技力だよね!本当に愛しいものを見る目で相手役を見てるんだ!」
…相手役の名前も覚えておいてやれよ。確か新人俳優だ。俺は覚えてないが…
ハル「リュウ・アカツ、さては本当に恋人がいるか?でないとあんな顔できるもんじゃない」
ジル「…ハル。お前は日本について語ってるのか、ドラマについて語ってるのかどっちだ」
俺は呆れてそう呟いた。
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