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episode.11-9
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※「好きと言えたら」のepisode.72とリンクしています。
ハンスside
恋「あー、えーと、とりあえずどうしましょう」
レンという青年と、キノモトという男。
この2人はなぜこんな路地裏に顔を出したのか。
普通の人間は通らないだろう。
木之本「なんかその子やばくない?」
キノモトは俺たちの拘束を解きながらクレアに目をやった。
ふと、俺は気づいた。
こいつはα遺伝子を持っている。
クレア「…ほし…い」
発情させた本人がいなくなってしまい、近くのαに反応したらしかった。
木之本「え?」
まずい。これはまずいんだ!
恋「木之本さん、ちょっとその子から離れてください!」
木之本「え?え?なんで?」
レンは何かおかしいと思ったのか、手を伸ばすクレアと呆然としているキノモトの間に入った。
恋「あの、事情はわかりませんが、とりあえず人目を気にしなくて済むところに…」
日本語を理解することはできても喋れない俺たちにとって、この提案をどうするべきかわからなかった。
するとラズが俺の服の裾をくいっと引っ張ってきた。
何か書くものをよこせと言っている。
そうだ、ラズはハルに日本語を習っていた。
俺は懐に入れていたメモ用紙とペンを取り出した。
ラズはぎごちない字で
"にほんご、あまりはなせません。ぼく、はなせるけど、こえ、でません"
と書いてレンに渡した。
恋「そうだったのか…えーと、君は話していることはわかる?」
ラズは頷く。
そして紙に、
"みんな、はなしていることはわかるけど、にほんご、はなせません"
恋「そうか…公用語は?」
"えいご"
木之本「まじか!俺英語喋れないよ」
恋「俺が喋れますから」
レンはキノモトをなだめるようにそう言った。
恋「1番、年上の方は?」
そりゃ俺だ、と思い俺が手を挙げた。
するとレンは丁寧にお辞儀をしてきた。
俺もお辞儀を返した。
レンは流暢な英語で俺と話してくれた。
そして決まったことは、レンの家に移動するということだった。
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