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茜色に染まる
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外は茜色に染まり、夜が訪れようとしている。
部屋のベランダで生暖かい風を感じながら
そろそろ行くか…と短くなったタバコを灰皿に捨てる。
まだ5月だというのに外は暖かく、吹く風は温く感じる。
着ていたTシャツの上に薄手のカーディガンを羽織り
スキニージーンズにコンバース。
僕のスタイルは毎日同じ。同じような服を
3着ずつしか所有していないからだ。
どうせ、通勤の時しか着ないのだから洗い替えがあれば
不自由することは何一つないからだ。
家から徒歩で20分で職場に着く。
僕が働くのは男性専門の風俗店『華燈籠』。
このお店で働くようになって来月で丸4年になる。
仕事は正直楽じゃないが、苦でもない。
「おはようございます。蘭入ります。」
「おう、今日も30空きの頭から
90、90、120、…それから西さんな。」
「…西様、今日もですか?」
「今週もう三回目だよ、ヤベーな!
あの人何してる人か知ってるか?
一回で15万は払ってるのにいつも高級土産だろ?
頑張って引っ張り続けろよ〜?」
「…嫌われへんように頑張ってるつもりです。」
「ならよし、ほら今日も鈴蘭の間だから、よろしく!」
裏口にいるスタッフに挨拶をし一日の予約をチェック
今日もインターバルが30分ずつ…
忙しくなるなと思いながらもはや僕の部屋と化した
鈴蘭の間へ入って行く。
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