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転校生、上から見るか逆さから見るか
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前回までのあらすじ
上履きのかかとが減って死にそうだった。
「上履きの次はローファーのかかとがすり減る」
副会長に絶賛連行されている俺は
下駄箱で一度解放されて
外履に履き替えたのにまた
同じ体勢で捕まった。
だけど俺は気づいた。
歩かなくていいからすごく楽だ、この体勢。
「副会長おっきい鳥が飛んでますよアレなんですかね、鳩かな」
「鳩かもね」
「鷹かなトンビかなフクロウかな」
「鳩かもね」
鳩なわけねえだろこんな森の中に
こいつ俺を拉致しといて
俺と話す気は無いと?
まるっきり犯人の思考だ
身代金とか要求されちゃうんだきっと
「鳩かもね」
答える気がないなら俺の心と
会話しようとするなよ!!!
「で、ほんとのところ、どこに向かってるんですか」
「校門」
「はっ?」
「…すぐ話題になると思うけど、転校生がくるんだよ。今日は入寮とかで俺がお出迎えすることになってるんだけど」
こんな時期に?
でもこんな学園の試験をパスするんだから
相当頭いいってことだよな。
しかも転校って。
最初からこの学園にしてればオカシーも
新入生代表の挨拶なんてしなくてよかったのかもな。
一位の座は譲らないけど!
「てかそれと俺とどんな関係が?」
「無いけど?行こうとしたらたまたま居たからいいかなと思って」
あー、全部担任のせいだ
絶対そうだあんにゃろ許さんぞ
「まだ着かないんですか?」
ずるずると引きづられて結構経った
広い学園門まで遠いと言えど
こんなに時間がかかるような距離だったか?
「嗚呼、ごめん。散歩してた。今から向かうよ」
「うそでしょ」
「運動不足解消してあげないとと思って」
俺はあなたの飼い犬かなんかか?
体育で間に合ってんだよ!!
俺は断じて運動不足なんかじゃ無い!
そもそもこの体勢で何の運動ができると?
毛の長い犬を抱いて「散歩」と言う副会長を想像して、犬も歩かせないとダメですよと突っ込もうとして気づく。
「ん、なんか声がしない?」
「あ?」
「こっ声がシマセンカ…」
「…言われてみればそうだね」
門に向かい出してすぐ
近くで怒鳴っているような人の声がした。
なに…喧嘩?喧嘩なの?
喧嘩だときつね顔のアイツがいるかもしれないから
すごーーーくヤなんだけど
「門の方からだ」
副会長は足を止めない
俺のかかとの減りも止まらない。
門に着いたけど、人影はない
喧嘩とかじゃなくてよかった
恐怖の風紀に遭遇はしなくてよかったみたい
つか俺はいつまで空を見てればいいの
「おおーーーーーーーい!!!誰かーーーー!!!!」
門の外から耳を突き刺す大声
なに、大声大会でもやってんの?
「なんなんだよ!誰もいねぇじゃん!開けろよ!!」
「でかい独り言ですね」
「頭痛くなってきた」
渋い顔して頭を抑える副会長を見て閃いた。
大声が弱点でしたか…!!
いいこと知ったしめしめ
「お前の頭の悪さにも頭痛がするよ」
なんだとおい!
学年トップに頭が悪いだと
名誉毀損で訴えてやる
頭の中の法廷で逆転に次ぐ逆転で
副会長を有罪にしたところで
ガチャンと大きな音を立てて門が開いた。
副会長って校門の開閉もできるの
できないことないんじゃないの
こいつが学園の長なんじゃないの
俺の首を未だ抱えて離さない
副会長のお美しいお顔を下から仰ぎ見てると
「やぁっっっとあいた!!!!!なんだよ!人がいるなら最初から開けてくれよな!!!!!」
一人大声大会が大掛かりな門に
物怖じすることなくずけずけと入ってきた。
一人大声大会もとい、転校生くんは
逆さまから見ると
なんだかとってもモップみたいだった。
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