アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3人集まればもんじゃ焼き美味しい
-
授業中の校舎は眠たくなるような教師たちの声が
響くだけで割と心地の良い静かさだ。
黒板にチョークを走らせる音もあいまって
寝てしまうのもわからないでもない。
授業を受けるというのは正直あまり
好きではないがあの場の空気感はとても心地がいいので
久しぶりに授業に出てみようか、と思ってやめた。
自分が行くと空気が変わる。
同級生たちはソワソワしだすし
教師も緊張するのか、通常通りの授業というのは
あまりできた試しがない。
俺をなんだと思ってるんだろうか。
勝手に特別扱いしたのはそっちだろうに。
そんな自分が唯一、周りの目を気にせずに
ゆっくりできる場所
それが生徒会室だ。
他の教室とは違う、重量のある扉を開ける。
「時和。案内終わったのか」
給湯室から顔を出したのは会長の吾妻だった。
「まあね」
嘘だ。終わってない
でも猿同士仲良くやってると思う。
「どうだった?この時期の外部の転校生」
「そうだね、ペットをお探しの会長にはちょうどいい物件かもね」
「いや、俺のペットはもう決まってるからいい」
「なんの話をしとる?」
自分専用の変な犬のマグカップを抱えた吾妻の後ろからひょこひょことちっさい影が現れる。
「いたんだ、書記。小さいから見えなかった」
「見えんのも当然じゃろうて、お主目が開いとらんぞ」
いっちいち勘に触るやつだな
「して、なんの話じゃ」
「例の、転校生だ」
おぉ!言われてみればそんなやついたのう!と
これまた奇妙な模様の湯呑みを抱えて自席に座る。
ちなみに会計の机の上にも
奇抜な色が散りばめられたマグカップが置いてあった。
なに?なんなの?変なコップしか使っちゃいけないの?
と、あのうるさい奴がいれば言ってただろうな。
「どんな奴じゃった?」
お前ら以上に変な奴はいないから、と俺が言う前に会長がマグカップに口をつけながら答える
「動物らしい」
「…じゃろうな」
「だろうね」
人間だから動物だろう
いやそんなキョトーンとされても
こっちがキョトンだわ
まあよい、と書記は書類にサラサラと
サインを書く。
「目の前に現れるのを待つかの。縁があれば会えようて」
「そうだな。それと1つ聞きたいんだが」
会長が書類に目を落としたまま俺たちに声をかける。
「北斗、どこ行ったんだ?」
「言われてみれば」
またサボりか?
あのバ会計2、3発ぶん殴ってやんないとわかんないかな
そのうち戻ってくるでしょ、と言いかけた
俺の耳に何か聞き覚えのある、しかし聞きたくない声が聞こえてきたような気がした
それは例外なく他の2人も同様らしかった。
「窓を開けても構わないか?」
「ああ、頼む」
俺は確信していた
やめたほうがいい、この声の主は
突き止めないほうがいい、と。
「ぎぃぃぃやあああああ!!!!!こないでえええええええ!!!」
「あははははは!!たーーのしいねえー!!」
ああもう本当に最悪
バカ2人揃うと手がつけられないってマジで
なんで授業中に外爆走してんの?
どういう意図があってそんなことしてるの?
つか、なんであいつ餌って書いたプレート首から
下げてるの?あいつ食えんの?
美味しくなさそう
「あっ!やはり!下僕じゃ!!」
「俺のペットじゃねぇか」
わっわっわあ!
バカ2人じゃなくて4人だったあ!
会長マジで人間を飼うつもりだったんだ。
頭痛くなってきた、仮眠室で休もう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 11