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「ルナも雪弥のこと、気にいったみたいだな」
「え、と……、そんなこと……ない、です……」
「いやいや、だって俺ルナのこと、じっと抱えられたことねえよ? 」
そう言ってルナに手を伸ばすと、案の定ルナは目を微かにつりあげて「ぶーぶー」と鳴いた。
「わ、ルナちゃん怒って、る……。春彦さん、は、いい人。僕、拾って、くれた……」
ルナに話しかけるその様子はまるで幼稚園児のようなそれで、どうにも庇護欲がくすぐられる。
「ありがとうな」
それだけ言って、俺は自室へ入った。シン、と静かな部屋の中で「俺が雪弥を幸せにしてやるんだ」という言葉だけが虚空に浮かんだ。
その言葉をドアの向こうで母が聞いていたことを俺が知ったのは随分経ってからのことだった。
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