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「わ、もしかして、雪合戦? 」
知識でしか知らなかったことを体験できるのが嬉しいのか、にっこりと笑いながら俺の真似をして小さな手で雪を丸める。
「えいっ……! 」
懸命に投げられた雪玉は俺の所には届きそうもない。だが、地面に直接返してしまうのも気が引けて、わざとそっと当たりに行ってやる。
「春くん、当たった……! 」
それでも嬉しそうに両手を上げてぴょんぴょん、と跳ねる。「滑って転ぶぞ!」と注意した途端に、雪弥は雪の絨毯に沈んだ。しかし、それすらも今の雪弥には面白おかしいようで、ケラケラと楽しげな笑い声が響いた。
ひとしきり雪合戦を堪能して、ふと時計を確認する。
「あっ! そろそろ時間だ! 雪弥、行ってくるな!」
「うん……! 春くん、えっと……いってらっしゃい……!」
にっこりと目を細める雪弥に大きく手を振って学校へ向かう。
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