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始まりの雨2
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ねだらせたわりに、そう簡単にはご希望に沿えてやらない俺も、結構なモノ好きだと思う。
浅く揺する腰の動きに合わせて漏らすこいつの甘い声が、俺を深いところへ誘ってるみたいでぞくぞくする。
「ほんと···えっろい声出すよな、おまえ···。どうして、そんな淫乱になっちゃったわけ?」
息だけで笑った俺が囁くと、余裕も無いくせにこいつはゆっくりと振り向いて。
「おまえの······っ、せい、だろ······クソ湊介っ」
涙に濡れた睫毛に、紅く染まった頬。
艶っぽい表情を歪ませてそんな事を言うもんだから、思わず俺はごくりと喉を鳴らした。
あぁ、これだよ。
こんなおまえが見たくて俺は──何度だっておまえを抱いて、従順にして、泣かせたくなっちまう。
その濡れた唇に何度も俺の名前を呼ばせて、俺のせいだと、俺だけだと、言わせてやりたい。
そうだ。『あの日』も、そうだった。
俺たちの関係が普通じゃなくなったあの始まりの日も、おまえはそうやって俺のことを見たりするから。
「······おまえさ、なんか今日···しつこいんだよ」
ふいに気恥ずかしそうに視線を逸らされたことで、身動きもしないまましばらくこいつに見入っていたことに気付く。
「とか言ってぇ。ほんとは嬉しいんじゃねえの?」
「はァ!?誰が······って、聞けコラ!離せ、待──」
急になぜだかたまんなくなって、無理やりこいつの身体をベッドから抱き起こすと俺の上に跨らせた。
一気に奥深くまで飲み込まれるその感覚に口元を弛ませた俺の上で、ビクビクと身体を強張らせて快感に堪えるこいつのエロい顔ときたら。あっぶね···それだけで、あやうく射精るとこだったじゃねえか。
ふと目に入ったのは、自然と目線の位置にくる白い胸元に散りばめられた無数の鬱血の痕。
その数の多さに、正直ビビった。俺······こんなに付けてたんだっけか?無自覚、やべぇな。
「お待ちかねの、だろ?ほら。動けよ、見ててやるから」
「や······、見んなっ···もう、いやだ···っ」
「いやだっつってもなぁ。おまえの、すげーエロい顔も、とろとろのココも俺には丸見えだけど?」
「ひぁっ!触っ、んな······あっ、あ」
「で。触られて善がってんじゃねぇよ、淫乱猫」
「違······っ!違、う···やだ、も、や···」
あー、やばい。駄々っ子きたわ、これ。
意識がとろとろになるまで気持ち良くしてやってから、ちょぉっと意地悪するとすぐこれだ。やだやだと泣きじゃくりながら愚図って、こうやって今みたいに俺の首元に擦り寄って甘えてくる。
さて、どうすっかなァ······なんてな。知ってて、わざとやってんだけどさ。
「······朗」
名前を呼んでやると、朗は儚げに俺を見つめながら、のろのろと首元にその腕を回してきた。
顎を上げて舌を突き出せば、躊躇いもせず自分の赤く濡れたそれを絡めてくる。
「湊介······ふ、ぁ」
いやらしく音を立てながらその舌を吸い上げて、なぞって、角度を変えながら味わうように。
うっとりとした表情で俺の唾液を飲み込んでいく朗の熱くなった腔が、きゅうっと締まったのが分かって思わずニヤけてくる。
「おまえってさ······俺にキスされんの好きだよな?」
こんな風にキスをするようになったのは、いつからだっけか?全然覚えてねぇけど、もう随分と前からだったような気がしなくもない。
じゃあなんでキスをするのかと訊かれれば、······さぁ?おまえは、俺に何て答えてほしい? 朗。
「違······っ、バカ······!」
「あー···もういいわ、そういうの」
おまえの「違う」も「嫌だ」も、全部「その通りです、もっとして」だから。
もう、そういうの全部どうでもいいから。
どうでもいいくらい、そろそろ限界なんだわ。
早くおまえで、イかせてくれよ。
「んあっ!!あっ···、湊介っ!」
「······やべ、おまえんナカ···すげぇイイ······」
汗なのか精液なのかローションなのかも分からないほど滑ついた朗の尻を掴んで、覆うようにベッドに押し倒した俺が激しく腰を打ち付ける。
ギシギシと軋むベッドの音と、窓を濡らす雨の音と、朗のどこまでも甘い声が興奮に追い討ちをかける。
「朗······っ、気持ちいい?」
「あっ···!湊す···け、気持ち···いっ!」
こんな俺たちを、『あの日』の俺たちは想像もしてなかったよな?こんなに溺れるなんて、思ってもみなかった。
そうだろ?だって俺たちは、ただの幼馴染みで。
セックスはするけど、好き合ってる仲じゃねぇし。
「湊介っ······、そ、ぉ介っ······!」
「······朗っ」
「ん、ああっ──!!」
だからさ、こんな風に名前を呼び合ってイクなんて。
どうかしてるって思わねぇ?
「······はっ、またイったな?淫乱アキちゃん」
「あ、ぁ······っせぇ、しねよ、マジで······っ!」
「そん時ゃ、てめぇも道づれなんだよボケ」
お互いから漏れる吐息の熱にとけそうになる。
そんな毒を吐きながらも、腔で果てた俺のものに縋るように吸い付いてくるこいつの気が知れねぇよ。
「道づれ······か」
ぽつりと呟いた朗が、その白い腕で顔を覆った。
その影の下で泣いてるように見えたのは、気のせいだろうと思った。
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