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事件
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派閥内での揉め事が起きた。
2年の田嶋が1年の安西を脅し、
暴力行為に至ったという内容だった。
安西の顔は腫れ上がり、体には無数の傷が出来ていた。
「田嶋...なんでこんな事したんだ」
田嶋は詫びる様子もないようで、
ただ黙って、目線を下に向けている。
「おい、聞いてんのかよ!」
京介は田嶋の態度に腹が立ち、
胸ぐらを掴んで怒りをあらわにする。
「....アイツ、他校の奴とヤッてたんすよ。」
やってた...って、なんだ?
いや、ケンカだったらおかしいし....
「やるって...まさか、お前ら付き合ってんの?」
「...まぁ、そうッス...」
田嶋が安西とデキてるという噂は、
安西が入学して間もない頃からあった。
本当に付き合ってたのか...
「そう...だったのか....でも恋人を殴るなんて、お前最低だぞ。」
俺なら絶対に暴力なんて振るえない。
例え類が他の奴と浮気しても。
「....もう別れたんで...迷惑かけてすいませんでした。」
田嶋は軽くお辞儀をすると、
暗い顔をしたまま京介の後を去ろうとする。
「田嶋...お前まだ安西のこと好きなんだろ」
ピクっと反応する田嶋は、京介の方を振り返って答える。
「....付き合ってもケンカばっかで、俺との関係なんて...どうでもいいんだって、すげぇショックだったんです。」
「....そんなことないと思うぞ。」
ある事に気づいた京介は、ニコッと笑顔を見せる。
「えっ...?」
田嶋はキョトンとした顔をした途端、
後ろから安西が抱きついた。
「先輩...すいませんでした。俺が全部悪いのに...先輩に迷惑かけて...ごめんなさい。」
田嶋は首を振って、安西の方を振り返る。
「...安西、殴って悪かった....」
安西の顔は絆創膏だらけで、田嶋は心が痛み苦渋の表情を見せる。
「...そんな顔しないで、律樹先輩。」
ふっと笑みを見せる安西は、田嶋の頬を撫でる。
「...ごめん、夏月...好きだ。」
田嶋は安西を引き寄せ、優しく抱きしめた。
2人は無事に寄りを戻すことが出来た。
事件も一件落着し、京介は安堵する。
次の日ーーー
「良かったな。田嶋と安西...まぁ、ただの痴話喧嘩だったけど。」
「俺、付き合ってるの知らなかったわ...一将知ってたのかよ。」
一将は呆れた顔をする。
「....多分、お前だけだぞ。あいつらすげぇ分かりやすかったのに。」
「マジ?うわ...俺って鈍感なのかな。」
移動教室の為廊下に出ようとした瞬間、
京介はたまたますれ違った類とぶつかった。
「...おっ...と、悪い」
類はぶつかった相手が京介はだと知ると、
焦った様子で何も言わずに慌ててその場を立ち去る。
「...お前ら、ケンカしたの?」
「いやぁ...なんもない...はずなんだけど。」
最近ごたごたで類と全然会えていなかった。
今会ったのが1週間ぶりって...
連絡しても、会ってくんねぇしなぁ...
「そう言えば、涼が桐島の事なんか言ってた気がすんだけど....」
「え、なんだよ!」
食い気味に聞く京介。
「あ、そうだ。桐島が京介の弟に会ったらしいって...」
「え...」
俊介と類が...?
類はなにも言ってくれなかった。
なんでだよ、類...
"話したいことがある。放課後、類の家の前で待ってるから''
と、京介は類に連絡をいれた。
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