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スリーシックスに鎮撫剤を打ち、他の鬼にその場を任せて、ゴカルの待つ医務室まで足を歩かせた。
「ナルラ」
廊下を歩いていると、王子に声を掛けられた。
他の鬼とは違った色をしている現・王の嫡子。
私は、にこやかに話を進めた。
「王子。ただの医務にご用ですか?」
「王専用のくせに、スリーシックスにまで何のようだ」
「…王専用ですから、王の命令は絶対なのですよ」
「そのエセ笑顔が気に食わねぇ」
「気に食わないと申されましても…、これが私なのですから、仕方ありませんよ」
「……スリーシックスは次、いつ目覚める」
「薬の効果で、明日あたりになりますかね」
「…ならいい」
王子は、何事も無かったかの如く、私の前を通り過ぎようとしていた。
「王子、スリーシックスを無理矢理起こすことは、してはいけませんよ?」
その言葉を聞いてか聞かずか、王子は真っ直ぐを見つめて歩いていた。
ただ、これが、私の過ちなのかもしれないと、気付くのは…だいぶ後になってからだった。
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