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少しの不安。(幸輝)
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「コウーーー!」
「遊ーー!!」
ぎゅっと抱きつく。
僕の親友の佐々木遊は、『オメガ棟』と呼ばれる
この大学のオメガの医療などに関する学部の集合で
おおよそ、オメガ意外立ち入り禁止の区域に入れるオメガ意外の性別の人の一人だ。
そもそも、おおよそ県庁所在地にあるオメガ専用病院は人員不足じゃないのに
オメガについて専門的に学ぶ人がいないため、一人一人の知識が浅い。
そのため、オメガ性の医療が充分に行われない為に度々起こるオメガの自殺やオメガが関係した事件の予防策のひとつとして作られた、日本初の学部だ。
僕が通うのは、オメガ専用カウンセラーを養成する学部。
遊は...
オメガ専用医師...だったかな?
「コウ、お前、番と旅行に行くんだって?」
なんで知ってるの?
「行くよー!温泉。」
ニヤリ、いいでしょって笑う。
遊は僕の肩に手を回す。
――パシッ
「あ...ごめん。そういえば僕今発情期なんだった...」
瞬間的に『嫌だ』って思って、遊の手をはたいてしまう。
けど、遊はちゃんと勉強してるから、
その行動がオメガの拒絶反応だってことをわかってくれている。
「平気、平気!!
ところで、番さん忙しいんだろ?
休み取れたんだな...」
そうそう。そこなんだよね。
あっくん、僕のために無理するところあるから...
「本当に。また無理したんじゃないかなって心配で...」
「あぁー、そうだったな。結構破天荒な奴だったっけか。
まぁ、甘えとけ。それだけ愛されてんだろ?」
「そうかなぁ...まあ、たまには休みも必要だとは思うけど...
無理してなかったら、それでいいんだけどね。」
本当に。あっくんが無理してなかったら、僕はそれでいい。
「あ、そういえば...ちょっと聞きたいことあるんだけど...」
少し真剣な顔。
遊がこういう顔するときは、大体番とかオメガの話を聞きたいときだ。
「運命の番とかって知ってる?」
あぁ、その話。
そんなに真剣な顔して聞くことでもないと思うけど...
そんな都市伝説。
「知ってるよ。でも僕は、噂だと思うよ。
ほら、『運命の赤い糸が...』とか言うじゃん?
あれと同じ類いだと思うよ?」
真剣な顔で二回頷いて、にこりと笑うと、
「そっか!ありがとう!
授業あるし、もう帰るな...
温泉楽しんでこいよーー!」
手を振って、行ってしまった。
運命の番、かぁ。
僕とあっくんはちがうのかな...?
番は、全部運命でいいと思うんだけど。
...将来、聞かれるかもしれないし、ちゃんと調べておこうかな。
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