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覚悟を決めろ。(篤哉)
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――プーッ、プーッ、プーッ、プーッ、
「なん、だよ。ほんと。」
昼間の人、か。
諦めるのなんか、いつもやることじゃないか。
対象が大きすぎるだけ。
また、時間が経てば平気になっていく。
想像なんか、つくわけがない。
今まで、あると思っていた
コウがいる未来。コウと笑う明日。
『運命の番』なんて、この世にひとり。
何億、といる日本中にも
何十億、といる世界中にも
たった、ひとりしか居ないのだ。
出会える可能性は?ほぼ無に近い。
出会うことなんて考えなかった。
でも、
それだけの小さな確率でも、コウは出会えたんだ。
『運命の番』に。
ならば、手を離して。ただ嫌なやつになって。
コウが自ら、俺を嫌いって言うくらい
俺に未練なんか残らないくらい。
俺は、最低なやつにならなきゃいけない。
震える手で、ケータイを握った。
電話を掛ければ、きっともう戻れない。
いいのか、嫌なのか。
もちろん嫌に決まっている。
けど、自分がはる?の位置なら
「前の番など忘れろ。」と「幸せにするから。」と
言うんだろう。
――プルルルル...
出ないで。お願い。出ないで。
――プッ
「もしもしー、篤哉ー?
どーしたの?」
「凜。急にごめん。
ちょっと、頼まれてくれないかな?」
あぁ、これで全部終わるんだ。
愛してる。
って、まだ言ってないな...
机の上の、ワインレッドの色をしたベルベットの小さな箱を人差し指でつつく。
少し固定しながら、片手で上手く開けると
悩みに悩んだ小さなリング。
コウの左手の薬指にはまるはずだったもの。
もう、はめれない。
...コウ。愛してるよ。
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数日前の篤哉くん
篤「かのーん、どの指輪がいいと思う?」
海「知らねーよ!ほら!練習再開するぞ!」
篤「意見くれるまでやらねー!!」
海「好きなやつが、悩んでくれたもんなんかなんだって
嬉しいんだよ!だから、悩んどけ!」
篤「…そうする。」
sugeretは、いつも喧嘩しているようで
めっちゃ仲良しです。
このとき選んだ指輪が、はめられないなんて
篤哉くんは夢にも見ていないことでしょう。
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