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不安
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そして待ち合わせ時間から10分経過したころ。
健太郎は先ほどまでとは打って変わった哀愁を漂わせて、そわそわしていた。
佐藤が来ない。
まさか急病とか事故とか?
可能性でも佐藤がすっぽかしたとは考えない健太郎。
嫌な想像が脳裏を横切り、健太郎を更に落ち着かなくさせる。
もし佐藤の身に危険が迫っているのなら、こんなところでぽつんと孤立している場合ではない。
探しに行こうかな、と腰をあげかける。
10分ぐらい遅れるものなのかもしれない。
恋人同士のデートの基礎を知らない健太郎は無理やり自己完結させるが、もやもやした焦りは消えてくれない。
もし。佐藤が事故にあって今頃救急車で運ばれているなら。
僕は死んでしまうかもしれない。
取り残される孤独と過剰な焦りが最悪の結果を強制的に考えさせる。
そんな不吉なことは考えてはいけない。考えないようにしても、すぐにまた同種の予感が襲ってくる。
焦りと不安がこみ上げてきて、泣きそうな健太郎のポケットが震えた。
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