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待ち合わせ
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「きょっ今日こそはデートっぽくしてみせるぞ…!」
待ち合わせ場所の噴水エリアで、健太郎は一人ぽつんとベンチに座っていた。
近くに建てられている時計台を見上げ、現在時刻を確認して満足げに首を振る。
先ほどから携帯と時計をせわしなく見比べていたが、やがてぱたんと折りたたみ携帯をしまった。
「よし…待ち合わせ場所と時間は間違えていないはず。これでもう佐藤さんには迷惑をかけない」
敦に教えてもらった若者のデートプランその1を脳内で何度も繰り返す。
『遅刻なんてもってのほか。早めに行って損はないと思うよ』
淡い微笑みのアドバイス。
なるほどもっともだ!と健太郎は素直に感嘆をこぼし、1時間前にスタンバイしている。
「今日は、佐藤さんに楽しんでもらえるようにするんだ」
敦の助言を頼りに、健太郎は頑張ることに決めた。
しかし健太郎は知らない。
健太郎の恋人を所税だと思い込んでの敦アドバイスだったということを。
秋風の冷たさにぶるりと体を震えさせ、健太郎はただ時間がたつのを待った。
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