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お手洗いから戻ると、ヒサ先輩がニヤニヤとこちらを見ていた。
「学園のお姫様は大変だねー。"本当のお姫様"の恋人役なんて」
大方、学園のお姫様の俺がシュウさんの前で王子様面してるのが心底面白いんだろう。
そんなヒサ先輩の軽口に付き合っている程暇ではないので、当然無視をする。
ヒサ先輩はそれが面白くないのか、俺の方からシュウさんにターゲットを移した。
おいやめろ近付くな。
「シュウ、あれでもあいつ学園のお姫様なんだぜ?ぜっんぜん見えないよなー?」
なんたって腹黒だし。
そんな声が語尾に聞こえそうなノリでシュウさんに絡むヒサ先輩。
すると。
「う、うん。全然見えないよね。シンは王子様みたいだから」
ブワッと花が咲くように言ってのけたシュウさん。
「あ、もう無理です」
「おい?!シン?!!」
ダメだ。体の制御が効かない。
どんどんとシュウさんに近付いていく。
「お前っ!草食系だろ?な?俺が悪かったって!!」
「そうそう!シンちゃんは草食系王子様!ね?だよねっ?!」
ヒサ先輩とハルヒが何か言っているが、そんなものは俺の耳に入らなかった。
「こら。シン、君は草食系でしょ?」
暴走する俺の前にスッと現れたのはサン先輩だった。
その言葉に、俺は一気に冷静さを取り戻す。
危ない。この場でシュウさんに手を出すところだった。
そのシュウさんは頭の上にハテナを浮かべているが。
思わず溜息を吐くと、サン先輩が俺にこっそりと耳打ちした。
「草食系だけど、見せかけのロールキャベツ男子ってやつかな?」
ごもっともです。
俺は返す言葉も無かった。
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