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ザワザワと賑わう廊下を、シュウさんの姿を探しながら歩く。シュウさん以外の生徒は全員用事ができて帰ればいいのに。
そんな事を思っていると、資料室へ駆け込むシュウさんの姿を捉えた。
やはり、職員室ではない。
ズキリと痛む心を隠して、後を追う。
中に入れば、何やら顔を抑えて屈み込むシュウさん。
「シュウさん...?」
怪我でもしたのかと心配になりながら声をかければ、その肩はビクリと跳ねた。
「シ、シン?どうしたの?」
「いや...何かシュウさんの様子がおかしく思えたので...大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だよ。先に戻ってていいよ」
あからさまに目を合わせてくれない。
それに、俺に早く出て行って欲しそうだ。
本当に、何か嫌われる事をしたのだろうか...。
嫌がっている相手に無理に迫ってもますます嫌われるだけ。
せめて、とシュウさんの顔に手を伸ばした。
「あの...何か辛い事や嫌な事があるならいつでも言ってくださいね?...では....」
ほんの少しだけシュウさんの頬を撫でて、離れる。
もっと触りたい、話したい。
だけど怖がらせてはいけない、嫌われてはいけない。
もどかしいが、ここまでだと自分に言い聞かせて教室を出ようとした。
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