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俺の馬鹿。
キスに浮かれて全部見落としていた。
ここが資料室で、管理を任されているのは風紀委員長って事を。そこを都合がいいようにこの人が根城にしていることも。
全部全部、サンから聞いていたはずなのに。
「ほら、早く名前呼べよ。柊」
ぞわりと背中が粟立つ。
本名で呼ばれて、不快感しかなくて。
それを本当に呼んで欲しいのは他にいるのに。
「チッ......バラしてもいいんだな?お前のことも....副会長の事も」
痺れを切らした風紀委員長が怒気を混ぜていう。
その言葉に俺はハッとして。
このままじゃ、生徒会役員に迷惑がかかるのは勿論更に追い討ちでシンが迷惑を被ってしまう。
そんなのは、嫌だ。
震える口を開いて、滲む視界に風紀委員長を映して。
あの人よりも先に本名を呼び捨てにする。
「まどか...」
「よく出来ました」
ポン、と優しい力で俺の頭を撫でる風紀委員長。
あぁ....何故だか身体が寒いよ。
「ご褒美だ」
そう言って風紀委員長は俺に徐にキスをした。
「んんっ?!」
なんで、なんで、なんで。
嫌いだからここまで出来るの?ご褒美じゃなくて嫌がらせだよ、こんなの。
俺の中のシンが消えちゃう。
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