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ほんとはおなじ(hrkyからのkyhr)
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最近ふと考えることがある。
今日も実況を撮り終わった後、他の奴らと帰るかと思われたこいつ…ヒラのこと。
『帰らねーの?』
「えっ…あ…キヨ、なにか予定あった?」
『いや別に』
「うーん、じゃあもう少し居る」
こいつの俺の自宅滞在時間が日に日に長くなってきている気がする。いや帰れって言いたいわけじゃない。
…寧ろ居てくれるのは嬉しいとも思うから、
思ってしまうから、逆に困っている。
ヒラが居て嬉しいとか。友達としてなら説明がつくけれど、いやそれで説明がついてほしい。切に願っている。
この気持ちは何かの間違いであると言ってくれ、神よ、頼むから。じゃないと俺、人生の道を踏み外しそうなんだ。
けれども頭に浮かぶのは俺が思うような神じゃなくて優しく微笑むヒラ。…ヒラ。
…ちがう、こんなのちがう。
俺はノーマルだ、女の子が好きなんだ。
男を好きになるなんて有り得ない、あってはならない。
『うああああ……』
テーブルに突っ伏して唸っているとヒラに名前を呼ばれた気がして顔を上げる。
「キヨどうしたの、潰れちゃうよそれ」
『へっ…』
手元を見るといつの間にか近くにあったルイージ人形を握り潰そうとしていたようで、慌てて解放した。俺が悪かったルイージ、許してくれ。
「前から言おうと思ってたんだけど、キヨって変だよね」
『はぁ!?おまっ…』
お前に言われたくないわ、…言いかけてなんとか踏みとどまる。いつもなら言い返してやりたいところだが、ヒラを傷つけたくないという気持ちが勝る。
「だって突然唸り始めるし変な行動するし。…さっきみたいに」
痛い。その優しさのかけらもない冷ややかな目で見られると痛い。
でも…それは事実だ。ヒラのことを考え過ぎていつもネガティブになって、現実にまで現れたのがさっきのそれ。
変な唸り声にルイージを握り潰す奇行。
他の奴にならそんなこと言われてもなんともないのに、ヒラからの言葉だと心にグサッと刺さってなかなか抜けない。
「あと最近落ち着きないし。笑ってたのに急に顔が暗くなったりさ、なんか元気ないよねキヨ。それに…」
『…え?』
え、まだあんのかよ。なんだこいつ、俺のことペラペラ話し始めたぞ。
『あのさ…、ひとつ言っていい?』
「…うん?」
『ラーヒー、俺のことよく見てんのな。さすがだわ』
「え…な、何言って」
『だって、そうだろ。そうじゃなきゃそんなにペラペラ喋れねえよ』
俺の言葉にヒラは少し固まった。遅れて、反応が返ってくる。
「へ、え、えぇぇっ…」
みるみるうちに赤くなっていく顔を、ヒラは慌てて両手で自分の頬を覆って隠し、背を向ける。
「えっ……まって、うああ……」
『…ヒラ?』
声をかけるとびくんと肩が跳ねる。びっくりしすぎだろ。
「な、なにっ?」
『声裏返ってるし。なんか変だぞお前』
「ぁ…あはは、そんなことないよ!そ、それよりちょっと用事思い出したから!帰るねーっ」
『えっ…おい待てって、ヒラっ』
伸ばした手も虚しく、ヒラはそそくさと荷物をまとめて帰ってしまった。
それにしても、なんであんなに顔が赤く。いきなり慌て出すわ帰るわ…変な奴。
まるで、最近の俺みたいに。
『え…?』
俺、みたいに…?
もし、仮にもしそうだとしたら…。
なんで
嬉しいと思ってるんだ、俺。
end…?
########
誤字修正しました(汗)
…ようやく最後にkyhrになったでしょうか。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。ではまた、次のお話で。
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