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お互い様(hrky/kyhr)
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※hr視点
フジとこーすけがそれぞれに別のイベントへ参加している間、特に何もすることがなく日頃溜まっている疲れをとるため一日中ひたすら寝ることにしたおれとキヨは、床に長い座布団を敷いて寝転がったまま動かない。
勿論、隣同士で寝転がっているわけではなく、一定の距離は保っている。
彼の方を見ると、スマホを天井に向けたまま持ってうとうとしている。
『キヨ、それ危ないよ。顔に落ちるからスマホ置いて』
「んぁ?…うわ、っぶね」
一時的に目が覚めたのか彼はスマホに文字を打ち込んでいた。…誰かと連絡を取っている。
……って、相手が誰かなんて気にする必要ないだろ、おれ。
「…、なに?」
おれの視線に気付いたキヨは横目でじ、と見てきた。ほんの一瞬、見蕩れたのは内緒。
『ううん!なんでもない。…おやすみ』
「…ん、おやすみヒラ」
彼にしては珍しく優しく微笑むので少し胸がきゅんとなった。
キヨのその顔は、反則だと思う。
どきどきと早まった鼓動を落ち着かせる為、目を瞑って次第に眠くなるのを待った。
*****
何時間経っただろう。いつの間にか眠っていたおれはうっすらと目を開け、周りの状況を確認する。
窓の方から夕日が射し込んでいて、目の前にはキヨが眠っている。
…目の前?
ようやく覚めてきた目でもう一度確認すると、長座布団の位置が変わっており、おれの座布団とキヨの座布団はぴったりとくっつけられていた。
俺は動かした覚えがないから…まさかキヨが。
…なんてね。
おれの寝相が悪くて移動したとか、
なにか有り得ないことが起きたってことにしておけば、このどきどきはおさまってくれるだろうか。
でもその仮定は、2秒後にあっさり崩れ去る。
『…へ』
どういう訳かキヨに手を握られていた。
なにかのドッキリ?かと思ったけれど、彼が起きる様子はなくて。
彼の無垢な寝顔を見ていたらこっちまでまた眠たくなってきた。
『……無防備だなぁ、もう』
お腹のチラ見せとかさ、なんか変な気分になるし。キヨはおれになにかされるとか思わないんだ。それだけ心を許しているってことなんだろうけど、それはそれで少し悔しい。
「……ヒ…ラ」
『えっ?』
「…………」
一瞬ひやりとしたけど、彼はまだ眠ったままだ。
『……寝言かぁ』
寝言でおれの名前を呼ぶとか、煽ってるんだよね、そうだよねキヨ。
これでおあずけなんて残酷だよ。
『……はぁ』
少しだけ、と思い彼に触れようとしたが。
手を出したら負けな気がして、なんとか理性を保って手を引っ込める。
これまでも、同じようなことがなかったわけではない。その度におれは自分の欲と戦って勝ってきた。ここまで手を出さなかったおれも、よく堪えていると思う。
手は、出さないけど。
でも今まで散々煽られたお返しくらい、
してもいいよね。
おれはキヨの手を握り返して、彼の胸に抱きつく様に身体を密着させる。
そしてもう一度、おれは目を瞑り眠りに落ちる。
次起きたら、おれが考える最高に可愛い笑顔でおはようって言ってみようかな。
*****
数時間後、起きたキヨに「お前あんなに煽っといて生殺しとかいい度胸だわ」なんて言われるのはまた別の話。
end
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結局は両想いでお互いに我慢してる。
そしてこれはとある黒猫さんのツイートに影響を受けてます。
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