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恋せよ乙男【オトメン】(hrksk)2
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※hr視点
昔から、身体的にも精神的にも弱かったおれは、ずっとずっとこーすけに守られてきた。
苛められていた時も、怪我や風邪で寝込んだ時も。こーすけはいつもおれの傍に居てくれた。
母さんみたいだなって思っていた。周りからも、きっとそう見えていたと思う。
でも、ある時女子が話しているのを聞いてしまった。
「こーすけくんって世話好きだし優しいしかっこいいよね」
「だよね、彼女いるのかなあ」
こーすけも意外とモテるんだなあと思うのと同時に、急に胸がズキンと痛んだ。
もしこーすけが誰かに取られるなんてことがあったら、おれは苦しくて堪らない。
この感情が恋だということを自覚するのに、時間はさほどかからなかった。
だから彼に近寄る虫は全ておれが排除してきたし、彼が女子に近付こうものならおれが間に割って入って邪魔をした。
こんなことをしても、おれのことなんか好きになってもらえないだろうけど。
誰かに取られるよりマシだと思えば、苦しい胸の内は隠せていた。
なのに。
こーすけがダイエットなんてしたら痩せてモテすぎておれの入る隙間ないじゃん。女が寄ってきていつの間にか寝取られちゃいましたなんて、冗談じゃない。
思わずダイエット禁止なんて言ってしまったおれは本当に嫌な奴だ。
『…こーすけ』
「ん?」
ダイエット禁止令発言から数分後、今までのこともあり罪悪感を感じ始めたおれはこーすけの顔色を伺った。
『…怒ってないの?』
「なにを?」
『だから…おれがこーすけにしてきたこと』
「…、俺なんかされたっけ」
『……はあ』
これだから鈍感は。
今までおれがしてきたことに、ちっとも気が付いてないのかな。…それとも、気が付かない振りをしているだけ?
「そ…それよりヒラ、そろそろ彼女とかつくらないの?」
『え?…なにいきなり』
「……それは」
『こーすけは…おれに、彼女をつくってほしいの?』
どこか様子がおかしく、言い淀むこーすけに今の自分の気持ちをぶつけた。どうなの、はっきりしてよと、まるで優柔不断な男を問い詰める女みたいに。
やっと口を開いたと思ったら、友人として当たり前のことしか言ってくれなかった。
「そりゃ…彼女がいた方がお前も幸せだろ」
『…』
「俺は…お前のことを思って言ってるだけだから」
こーすけは、いつもそうだった。
質問に答えているように見せて誤魔化して、本当のことは言わずに、言葉を濁して。
今まで自分が辛い時ですら誰かに頼らずに、おれのことをずっと守ってきてくれたの、わかってるから。
そのぐらい、お見通しだよ。
『…おれは、彼女をつくって欲しいのかどうかを聞いてるんだよ?』
「っ…だから、お前もその方がいいだろ」
『…』
こーすけと話していて、こーすけをじっと見ていて、ひとつ気が付いたことがある。
ほんの少しだけど
『悲しそうな顔、してんね』
「!…」
こーすけは顔を背けようとしたけど、おれがそうさせなかった。
to be continued…
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次回で終わる…かな?お久しぶりです。
ここまで読んでくださりありがとうございます。それではまた次のお話で。
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