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死にたがりな俺とカウンセラーな君5『化け物の俺は兄だった…。』【キヨの過去】
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kysid
「化け物。」
俺は、生まれた時からそう言われ続けた。
母さんからも、父さんからも…。「お前は、いらない子」とも言われた。
何故なら俺は、人の心情を隅から隅まで知ることができたから…。
ある日、俺には弟ができた。
名前は、「香坂レトルト」。
レトが小学校1年生になった頃、俺はこう言われた。
レ「にーちゃん、俺、レトって呼ばれるのやだ。」
キ「え、なんだよ。急に。」
レ「だって、レトってなんか、やなんやもん!他の言い方にしてみてや!!」
キ「うーん…。他の言い方…かぁ。、、、あ!レトさんってどうだ!?」
レ「ぉおー!!何か良い!!!それ!それが良い!!!」
キ「じゃ、決定なっ!!」
レ「うんっ!!」
その二ヶ月後、レトさんに俺はこう聞いてみた。
キ「ねぇレトさん。」
レ「んぁ?」
キ「レトさんって…俺の事、化け物だと、、思わないの…?」
レ「ん?急にどうしたん…?そんなこと、ちっとも思っとらんよ?」
キ「え…なんで…、」
レ「なんでって、だってにーちゃんはにーちゃんやろ?俺のだぁいすきなにーちゃん!!」
キ「!!…。ありがとう、、ありがとう…!!」
レ「うぇ!?ちょ、なんでにーちゃん泣いとる!?にーちゃん大丈夫!?しっかりしー!!」
キ「うん…大丈夫。本当に、、ありがとう。」
レ「もうー!!本当、にーちゃんは大げさやなぁ!!」
その時のレトさんの心情は、俺でもびっくりするぐらい、晴れていた。
1年後…夜中、俺は、母さんと父さんが話していた所を、ドアの隙間から見てしまった…。
父「なぁ、あの化け物、俺には邪魔で邪魔で仕方がないんだが。」
母「化け物って誰の事よ。」
父「言わなくても分かるだろう。キヨだよ。」
母「あぁ、あの子ね。確かに邪魔ねぇ…。」
父「じゃあ捨てて来ようじゃないか。山の奥深くに。」
捨てる…?あぁ、俺…捨てられるんだ…。仕方ないよな。こんな化け物…こんないらない子…。
母「…。私は、良いけど、レトルトが何か言ってくるじゃない…。」
父「それは、この薬を飲ませれば良い。」
そう良い、父さんがポケットからだしたのは、液体薬。
母「…?何よ。それ。」
父「これは、一番大事な人を忘れ、自分が目覚めて一番最初に見た人を一番大事な人だと思う薬。つまり、今レトルトが一番大事な人はあの化け物だ。だから、これを飲ませる。これを飲めば一定時間眠るはず…その間に新しいレトルトの兄となる人を引き取り、レトルトに一番最初にそいつを見せる…。どうだ。これでいいだろう。」
母「へぇ、面白そうじゃないっ!!じゃ、明日の朝、キヨを捨てに行きましょう!」
父「あぁ。」
くす…り…?やばい…混乱しすぎててあの薬の効果忘れちゃった…。レトさん…!!
捨てられる前に、レトさんに覚えてもらって置く方法を探さないと…!
俺は、家を飛びだし、暗い夜道を必死になって走った。
着いた場所は、小さな雑貨屋…。
中に入って見ると、俺の目に、猫のネックレスと、カニのネックレスが入った。
俺は、すぐさまそれを手に取り、買って、帰った。
次の日の朝、俺は父さんにこう言われた。
「キヨ、久々に一緒に車で散歩にでも行こうか。」
あぁ。やっぱり俺、捨てられるんだ…最後にだけ…。
キ「父さん、待って。レトさんに言いたい事があるから。」
俺はそう言うと、父さんから離れ、ネックレスをもちながら、レトさんに近づいた。
キ「はい…、これ…!!」
レ「何や…?これ…。」
キ「それはねー!!ネックレスって言うんだよ!カニのネックレスと猫のネックレス!!!ほら、お揃い!!これで俺とレトさん、離れ離れになってもどこでも一緒だよっ!!」
レ「!!…ありがとうっ!!にーちゃんっ!!!」
父「おい、もう良いか?」
キ「…。うん。」
その時の父さんの心情は、『こんな茶番劇みせるんじゃねぇ。』と、言っていた…。
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