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静かな家
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本当に両親が帰ってくれば嘘じゃないんだけどな
家にいると今頃未来くんとふたりで過ごしてるのかな
なんて考えてしまう。
はやくこの思いを消したい
一秒で早く
時間が解決してくれるってよく言うけど
俺はその時間までもつかわからない
今でもいっぱいいっぱいなのに
これ以上どうすればいいんだ
なんで俺の運命っていつもこうなのか
絶対にハッピーエンドには終わらない
何事も
そんなことを考えながら買い物を終え家に着くと
「あら廉くんこんにちは。」
「こんにちは。」
隣のおばあちゃん。
両親が家にほとんどいなくなってから
いつも心配してくれる
「今日も一人?」
「はい。」
「そうかい。そうだ煮物作ったんだ。食べなさい。」
「ありがとうございます。」
「そういえば明日は廉くんの誕生日だね。」
「覚えててくれたんですか。」
「もちろんだよ。今年もお母さんたち帰ってこないのかい?」
「仕事が忙しいので。いつものことです。」
「そうかい。なんかあったらおばあちゃんちおいで。」
「ありがとうございます。」
おばあちゃん、誕生日覚えててくれたんだ。
明日か・・・・
そうだ。敦に渡すはずだったプレゼントどうしよう。
マッグカップ。
休みのたびに家にくるからお揃いで飲めたらいいななんて
考えながら買ったっけ。
使えないからタンスの奥にしまっておこう
いつか全部忘れたとき使おう。
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