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少年の初恋
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「ニーナ、パパと一緒にお出かけしようか。」
「行くー!」
パパからのお誘いに間髪入れずに元気に答える。
僕はお外が大好きだけど普段はママにお家から出してもらえない。
どうして外に出ちゃダメなのか、お世話係のセリュウさんに聞いてみた事がある。
「どーして僕はお外に出ちゃダメなの?」
「ニーナ様は魔王様の唯一のお子様ですから、奥様は心配なのでしょう。城外はニーナ様にとって危険な場所ですからね。特に人間の街は…」
なんて言われたけど、どうして危険なのか僕にはよく分からなかった。
ただお家はつまらないし一人ぼっちで寂しい。
誰にも言ったことはないけど友だちだって欲いのだ。
そんな僕をパパはたまにこっそりとお家から連れ出して外の世界を見せてくれる。
僕はその時間が大好きなのだ。
「ニーナ、パパから離れては行けないよ。」
「うん!」
「それとこのフードも外さない事。」
いつもと同じ言葉にこくこくと頷けばパパの大きな手で髪をぐしゃぐしゃにされる。
僕はパパのいいつけどおりに黒いフードを深くかぶるとパパの手にギュッとしがみついた。
「行くぞ。」
パパのその言葉一つで僕達の体は光に包まれ、その姿はフッとその場から消え去った。
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