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少年の初恋 3
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街はすごい人が多くて賑わっていた。
「パパ、僕あれ食べたい!」
「はいはい。すみません、リンゴ飴一つ。」
「はいよ!」
パパが買ってくれた大きな飴をぺろぺろと舐めながら僕は夢中になってお祭りを楽しんだ。
「パパー、次はあれー!」
…
「パパ…?」
振り向いてもパパはいない。
いるのは知らない人間ばかり。
そのまま人混みに流され僕は人気のない場所に来てしまっていた。
「ぱぱ…、どこぉ〜」
弱々しい声でパパを呼ぶけど返事がない。
知らない場所に一人ぼっち。
怖くて寂しくて、でも男の子だから涙をぐっと堪えてパパの姿を探した。
「ねぇ君、1人?」
突然男の人に声をかけられる。
ニコニコしてて優しそうな人。
「ぱ、パパがいなくなっちゃったの。」
「そうなんだ。君、可愛いね。フードとってよ。」
その人が僕のフードに触れる。
「やっ…だめ。パパがダメって言ったから。」
一つ目の約束は破っちゃったけど…
僕がフードを抑えると男の人は強引に僕のフードを脱がせてしまった。
「あ…」
「…魔族?なんで魔族がここに…」
男の人は驚いている。
バレちゃった。
人間にはない尖った耳と角。そして黒い瞳は魔族をあらわす。
「あ、あの…」
男の人はニヤリと笑う。
「魔族の子供か…それに美形。これは高く売れそうだ。」
「なに、言って…むぐっ…」
豹変した男の人は僕の口を布で塞ぐと僕のお腹を力いっぱい殴った。
痛い…
助けて…
意識が朦朧とする。
「何をしている!」
遠くから聞こえた声。
誰の声かも分からない。
誰でもいい、お願い、助けて…
僕はそのまま意識を失ってしまった。
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