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牢屋
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次に僕が目を覚ましたのは太陽がオレンジに色づきはじめた頃だった。
「あ、起きた。良かったぁ、起きなかったらどうしようかと思ったよ。」
僕が目を覚ました時、見覚えのない顔が鉄格子越しに見えてびっくりして起き上がる。
そしてさっき眠った時には無かった毛布がかかっていた事に気がついた。
「キミ、熱出してたんだよ。多分寒さと傷のせい。その毛布は僕からのプレゼントだよ!」
人懐っこそうな彼はきっと僕と同じくらいの歳だ。
「あの…貴方は?」
「おっと、自己紹介を忘れていたよ。おいらはミケ。君の見張りを頼まれたんだ。」
「えと、僕はニーナです。」
ぺこりと頭を下げるとミケは驚いたような顔をしてスグにニコニコ笑顔に戻った。
「びっくりした。意外と律儀なんだね。魔王様だって言うから偉そーな奴だと思ってたよ。」
なんて言って手を差し出された。
僕がポカーンとしていると、
「握手だよ、握手。」
と言われて慌てて僕も手を差し出す。
「よろしく、ニーナ。」
「よろしくお願いします。」
一人ぼっちは辛くて寂しい。
ミケがいてくれて良かった。
友だちになれるかな、なんて僕は呑気に考えていた。
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